第74期本因坊戦第五局封じ手予想!井山裕太VS河野臨
どうも!こんにちは。みやれーです。
6月18日、19日の二日間、長野県松本市「松本ホテル花月」にて第74期本因坊戦挑戦手合七番勝負第五局が行われます。
今回記事では1日目の手順を振り返りつつ、最後に封じ手予想をしたいと思います。
前回記事
一日目
前局で本因坊文裕(井山裕太)が勝利し、本因坊戦は2勝2敗の降り出しへ。本局から改めて三番勝負が始まります。
今シリーズ開幕時は河野臨九段が2連勝と見事なスタートダッシュを決めましたが、流石は七連覇中の現本因坊。際どく2勝を返し、タイトルの行方はにわかに分からなくなりました。
勝てば優勝へ王手というこの一戦。先に本因坊へ手を掛けるのは一体どちらとなるでしょうか。
実戦図1
黒5、白8、白10と3カ所で『シマリ』が出来たことから、お互い自陣を固め合う布石となりました。
黒11が黒模様を広げつつ白模様を制限する絶好点となっていて、理屈では黒有利な布石と思います。しかし白10で11の地点へヒラかなかったのは、左上は広すぎるため突入の余地が多く、右辺に黒模様を敷かれるよりも「消しやすい」という判断をしたのだと思います。白番だとどうしても一手遅れる分、模様の張り合いでは不利になりやすいので、消しやすさを優先するのは意外と正しい態度なのかもしれません。
実戦図2
白はすぐ1とカタツキました。小ゲイマジマリに対し有力とされる消し方ですね。黒4もカタツキのお返しです。
しかしここで黒6〜10とサバキに向かったのが名調子。どこかで見た筋な気がするので新手ではないと思いますが、誰の棋譜だったかな…。
実戦図3
実戦は白1のぶつかりで切りました。これも同じく黒2から隅を生きられますが、白3のカケツギで形が良いのが利点ですね。
黒6に白7とトビましたが、これだけで隅の黒石は生きているため、黒14の大場へ回りました。
参考図2
しかし白1と対応していた場合は黒2と生きなければいけなかったので、先手で大場に回ることは出来ました。本因坊文裕は下辺打ち込みの嫌味等から白1を却下されたのだと思いますが、この図も充分考えられました。
実戦図4
黒2のカケに白3とツケてコウが始まりました。このコウは容易に想定出来るため、黒がコウを嫌うのなら黒2で3へコスミツケることも出来ます。しかしより厚みを重視したのでしょう。黒がコウに勝てば、白1が厚みに近寄り過ぎの悪手にすることも出来ますから。
実戦図5
結果コウは黒が勝ち、白が右下隅を取るフリカワリとなりました。
白の実利も中々大きいですが、白5と黒6の交換が悪手になる展開だと、白も嬉しくないですね。
黒は下辺で下がった黒二子を、白は5を含む白四子を活躍させれるかどうかが、今後の見所となってきそうです。
実戦図6
黒1で根拠を奪われたので、左上の白二子に援軍を送る必要が出て来ます。
白2の二間トビは補強の一環ですが、意図が汲み取りにくく、黒の返す手が難しい。実戦は黒3から強引に切って地の得を重視しました。
黒13を見て、次の68手目を白番、本因坊文裕が封じました。