第74期本因坊戦第二局封じ手予想!井山裕太VS河野臨
どうも!こんにちは。みやれーです。
5月22日、23日の二日間、山梨県甲府市「山梨県立文学館」にて、第74期本因坊戦挑戦手合七番勝負第二局が行われます。
今記事では1日目の手順を振り返りつつ、最後に封じ手予想をします。
前回記事
1日目
第一局では河野臨九段が快勝し、本因坊文裕(井山裕太)危うしとの声も上がる第74期本因坊戦。今年絶好調の河野九段からすると、勢いそのまま、本因坊位七連覇中の文裕を土俵外へ押し出すためにも、この第二局は大事な一戦となるでしょう。
執筆にあたり文裕七連覇の奇跡を調べた所、文裕が第一局を落としたシリーズは過去に2回あり、その後はどちらも本因坊文裕が4連勝し、4勝1敗で防衛を果たしています。もし今対局で文裕が勝利すれば、その良いイメージを持って七番勝負を戦えるかもしれませんね。
まだ先は長い七番勝負ですが、意識の上ではやはり、この第二局がとても大事なのではないでしょうか。
実戦図1
お互い自陣を固め合う穏やかな立ち上がり。
黒11の位置が珍しい。一路右であれば黒模様を引き締めた意味合いが強く、一路左であれば白10を攻める意味が強いですが、その中間点ですので、文字通り(位置通り?)バランスを取った手と言えるでしょうか。しかし中途半端になる可能性も大いにあるため、僕は真似したいとは思えませんでした。
実戦図2
白1からの応酬はAI定石。小目からの大ゲイマジマリにはこの白1が有力な狙いとのことですので、変化の一例として暗記されていても良いかもしれません。しかし白1は、右上隅の黒地を固める代わりに、右辺の黒模様を消そうという意味なので、右辺の価値が小さかったり、全体的に白の厚い碁で黒模様が出来ない場合などでは、黒地を固めたマイナスが際立ってしまうため注意が必要です。白1はツケなので激しい手だと思われがちですが、基本は「消し」であり、守りの局面で打つ手だと思っていてください。
黒は先手を得て黒12の大場へ回って黒石に眼を作ります。
実戦図4
文字通り白を切った黒。更に黒6、10と厳しく迫り、ここで白の首を刎ねようと言うのでしょうか。しかし白5とツケられた傷がそのままでは中々に不気味ですね。黒が抜いたのは諸刃の剣なのかもしれません。
実戦図5
白1と反撃に出ました。黒の弱点を突いていて強烈ですが、黒2も中々に厳しい。結果黒は右上一帯を黒地にし、白は右下を侵食するフリカワリとなりました。個人的にはやや黒が成功しているのかなと思います。
参考図2
黒は2のサガリを先手で打つことは可能でした。地ではこの方が得かもしれませんが、白5とハネられるため善悪は微妙。右上隅の白石も完全に死に切っているとも言えませんし、実戦と参考図との優劣は難しい所でした。
実戦図7
黒1から白二子を取りに行ったのは意外でした。手堅いですが、白8まで外回りを厚く出来ては白の成功でしょう。左上一帯の白模様が広く、長期戦です。
実戦図8
白6のボウシを見て、次の81手目を本因坊文裕が封じました。
黒1と打ち込みましたが、下手なシノギをすると左上の白模様を固めてしまうかもしれないので、慎重に読みを入れたい所。左下の白の構えに薄みが目立つので、そこを上手く突けると良いですね。
参考図1
攻められている最中なので、黒1と間を出て行くのがとても自然ではあります。ですが白4のカケツギが先手になるかもしれません。黒5、7とコウで反発する手段があるのでヨミが必要ですが、白10にコウダテがあるので、黒がこのコウを争えるのか疑問に思います。