囲碁は好きですか?

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本因坊戦第三局二日目!井山裕太VS山下敬吾

どうも!こんにちは。みやれーです。


昨日始まった第73期本因坊戦七番勝負第三局。一日目は井山本因坊の「空き三角の妙手」などが話題になりましたが、二日目はどういう経過を辿ったのでしょうか。この記事では二日目の感想を書いていきます。



前回記事


井山裕太VS山下敬吾

一日目の手順は前回記事にありますので、今記事では封じ手以降の手順を一部載せていきます。


黒番 山下敬吾。白番 井山裕太

封じ手

注目の封じ手ですが、先に謝らなければいけません。ごめんなさいm(_ _)m


棋譜再生

封じ手は黒1のツケでした。

昨日二択とか言ってすみません

盛大に予想が外れて、朝から意気消沈です(ー ー;)

実戦途中図1


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山下九段はどうしても黒3へ打ちたかったのですね。白4の切りが強烈ですが、黒11までとなった時、黒1と白2の交換が中央の戦いで役に立つという意図でしょう。

しかし見た目からして、白4と切られた黒の形が大分悪く見えるので、あえて白4へ切らせるという発想が浮かびませんでした。山下九段の激しさは僕の想像以上です(^_^;)

実戦途中図2


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上図の辺り、僕はリアルタイムで観戦していたのですが、ここで黒の手が止まって少し焦りました。白3と打たれてみると、黒の中央数子が意外と危険な状況なのです。

参考図1


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例えば黒2のコスミだと、白3のアテ込みで切られてしまいます。

参考図2


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黒2のオサエも白3と飛ばれて切れる。

参考図3


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黒2のトビも白3のコスミツケで連絡は厳しい。


などなど、探せば探すほど黒が切れる図がたくさん出てきます。山下九段はどんな手を捻り出してくるのでしょうか。

実戦途中図3


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実戦で打たれたのは黒1のツケでした。これを思いつく事は容易そうですが、問題はこの後。白6で遮られて相変わらず黒が切れているように見えるのですが、山下九段はいつから読めていたのか、素晴らしいヨミを披露します。

実戦途中図4


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黒3のマガリが妙手。仕方なく白4とアテて、黒5とハジき、下辺はコウの形になりました。

参考図


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本当は白2と打ち、コウにせず黒石を召し取れれば嬉しいのですが、この手には黒5、7と動き出す手段を用意しています。白6、8、10で黒三子はオイオトシで取れるのですが、ここで黒11と打たれてみると、なんと白石がダメヅマリのため、黒11の右へ繋ぐことが出来ません。これでは黒石が無条件で生きてしまいますので実戦のコウは仕方がないのですね。


凄いヨミです。特に山下九段は、おそらく封じ手の段階で上図の手段まで見えていたのではないかと思います。でないと封じ手以降の戦いを仕掛けられませんからね。凄いです。

実戦途中図5


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数手コウダテを打ち合って、黒2とコウダテしました。一旦白3で解消されますが、黒4とホウリコめば相変わらずコウ。少しコウの位置が右へずれましたね^ ^

実戦途中図6


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黒4とコウを取った時、盤面を見渡すと白にコウダテらしいものが見当たりません。という訳で白5とツナぎ、黒6でコウを解消。白7まででひと段落となりました。


碁が落ち着いたので収支決算してみましょう。

白はコウを争う最中、右辺の白石が丈夫になり、左下の黒石を弱くする事に成功しました。これが白の得ですね。

黒はコウに勝ったことで、元々攻められていたはずの石が、白七子を取り込みながら大威張りに生き、更に先手を得ました。

両者の得を比較してみると、先手を得たのが大きそうで、黒が上手く戦えたのではないかな?と思います。多分それほど大きな差はありませんが、やや黒良しの碁に見えます。

実戦途中図7


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白1、3は頑張った一手。左下の黒に迫りながら、左辺を大きく広げてます。実戦は黒4と入ってきたので、白9でまた戦いが始まりそうな予感です。

実戦途中図8


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白1の打ち込みに黒2、4とツケツナギ。これはただ守るだけの手ではなく、白に断点を作りつつ、白1の石を飲み込む手を狙っています。白5のツケも同じような意味で、ただ白の断点を守るのではなく、まだ生きていない左下の黒石にプレッシャーを掛けつつ中央の断面を補強しようとしています。

この衝突はとても高度なもので、理解するには相当な棋力が必要かもしれません。しかしこの「ただ守るだけの手は打たない」というのは強くなる上でとても大事な考え方なので、理解しなくても良いので雰囲気を感じて欲しいです。

実戦途中図9


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黒1は手筋で、捨て石を使いながら左辺を渡ることが出来ました。しかし一応、白の断点を補強する目的は達成されたので、白8と堂々のノビ切り。これで中央の白が厚くなり、左辺だけでなく中央の黒石も少し心配になってきましたね。流れが白に傾きつつあるでしょうか。

実戦途中図10


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右下黒3に手を抜くと白石は死にますが、まだ小さいと見て白4へ先行しました。

参考図


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生きる手段は上図になります。白2が先手なのがミソですね。

地に換算すれば、生きる手は後手26目の手ですか。馬鹿にならない大きさですが、井山本因坊はまだ小さいと見てますね。

実戦途中図11


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なるほど。白1、3と切る手があるのですか。ここが切れると黒に弱みが多くて、黒が苦しくなってきましたね。

参考図


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黒4と取ってしまうと、白5が先手で白7の逃げ出しが厳しいというカラクリですか。この図も黒が苦しそうですね。

実戦途中図12


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もう形勢ははっきり白に好転していますね。白6から黒石を切り、大石を大きく攻めに向かいます。よく見ると、中央の黒石に全く眼がありません。

実戦途中図13


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黒がもがいた結果、上辺でコウが出来ました。またコウですね。激しさが留まるところを知りません(^_^;)

実戦途中図14


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実戦は黒1のコウダテに受けずコウを解消したので、黒の大石が死ぬことはありませんでした。しかし上辺が厚くなった白は悠々白4へ入り、白勝ちは揺るぎないものとなったでしょうか。

実戦途中図15


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白1で隅は生き。黒は最後の頑張り所と、黒2と打って右下隅の白を取りきりましたが、白3で右上の黒石に眼が無いので、形勢は如何ともしがたいです。

終局図


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右上の黒石が取られ、黒の投了となりました。

白中押し勝ち。

まとめ

本因坊戦第三局は井山裕太本因坊の勝利!
これで対戦成績を2勝1敗とし、一歩リードしました。


大激戦でしたね!内容が濃すぎてブログも長くなってしまいました(^_^;)

一日目の序盤でお互い工夫し合う面白い展開となり、その後始まった戦いが延々と続いたような碁でした。封じ手からの黒の打ち回しが冴えていて、一時黒が形勢良さそうな碁になっていましたが、井山本因坊も力強く応戦し、一気に勝負を攫いました。最後は大石も取り、本局は正に力勝負の碁でしたね。



続く本因坊戦第四局は、6月12、13日に大阪府吹田市の「ホテル阪急エキスポパーク」で行われます。

大阪府は井山本因坊の地元ですね。どんな碁を見せてもらえるのか楽しみです^ ^




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