Master対AlphaGoZeroの棋譜6
こんにちは。みやれーです。
Master対Zeroの対局は必ずといっていいほど、模様対地の構図になります。
それはZeroが低く地を取りに行くため起こる事ですが、そうなるとやはり、模様の消し方が問題になります。
Zeroの凄い所はその模様の消し方が上手過ぎる所なのですけど、本局は序盤、独特な模様の消し方を見せました。
個人的にはZeroの打ち方に疑問しかないのですけど、実際はどうなのでしょうね。
黒番Master。白番AlphaGoZero。
実戦図1
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本局は黒17で三々に入りました。人同士の対局でも、カカリより三々入りの方が流行りですね。
実戦図2
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上図白2と手を抜きました。格言に「二目の頭は見ずハネよ」とありますが、右下のような四目の頭は基本的にハネられても痛くありません。
白8のツケはサバキの常套手段。しかしその分中央の黒模様が大きくなってきました。Zeroはどうやって消しにいくのでしょう。
実戦図3
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Zeroは上図白2と直接切りました。厳しいですね。また黒3と一旦手抜きしたのも気付かない打ち方。AIならではでしょうか。
黒11からの競り合いは、僕もちょっと理解が追いつかない所です。白26、28で中央を少し消す事には成功していますが、白にとってこの図が一番良いのかは疑問が残ります。
実戦図4
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左下で定石が再開。しかし黒5は普通に黒9の場所へ打つのかと思いましたが、変化しました。
黒11までが一つの形ですが、白12と入って来られてみると、白6の切ってある石が活躍しそうで、黒の気持ちが悪いです。何故Masterは黒5と打ったのでしょうか。
実戦図5
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上図白2がまた上手いですね。白8、10で黒が痺れてしまいました。白12~34でほぼ生きです。
実戦図6
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右下隅は白2のノゾキ一本で済ませ、白4と左辺に仕掛けました。Zeroはこういう訳のわからない戦いが得意ですね。
結果左辺はコウになり、白がコウを打ち抜き黒が右下一体を取るフリカワリとなりました。数手前には考えもしなかった大変化です。
実戦図7
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上図白18と左上隅をしっかり取り切り、ヨセに入りました。が、黒23からコウが始まります。
実戦図8
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コウが永遠と続いていましたが、上図白32と白が譲って決着しました。
この時点で、大差ではありませんが白が良いようです。
実戦図9
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最終手まで載せました。(白96まで)
白中押し勝ち。
この後作れば白3目半勝ちですが、投了しました。
本局は黒の大模様に対し、白の取った手法が面白い碁でした。特に実戦図3の局面。この図で白が良いのだとしたら、素晴らしいZeroの形勢判断です。
また、下辺の折衝は白が得したでしょう。Zeroはこういう模様の中で暴れる技術が強いですね。
その後左辺でコウとなり、大きなフリカワリとなりましたが、損得は難しい所。自信はないですが、互角じゃないでしょうか。
激しく見応えのある濃い内容の一局でしたね。
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