Master対AlphaGoZeroの棋譜16
こんにちは。みやれーです。
本局はそれほど激しい戦いはないのですが、両者の打ち筋は冴えています。
言わば小技の応酬ですが、逆に難しすぎる戦いよりかは参考になる碁かもしれません。
実戦譜
黒番Master。白番AlphaGoZero。
実戦図1
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上図白16までは両者で散々打たれた布石。
黒17の三々入りは最初、普通にカカリで打つことが多かったですが、途中から三々入りが増えました。Zeroはこちらの方が良いと判断したのかもしれません。
実戦図2
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黒3、白4を交換してからの黒5ツケとは忙しいですね。隅で手にしようという目的ではなく、アタリ等の利き筋を見ながら厚み経営に役立てようという意味でしょう。
白18は不思議な雰囲気です。中々気付かない着想ですが、左辺よりも下辺の価値が高いという主張です。
実戦図3
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白4から隅にちょっかい出してきました。しかし予定変更なのか、全て予定通りなのかはわかりませんが、白12〜18までちょっと稼いで来たのは意外でした。
確かに黒11と迫られた感じは白苦しそうですが、ならば白10で工夫するとか、そういう勝負しか思いつきません。
ただ実戦で白が良いのであれば、とても明るい形勢判断ですね。
実戦図4
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上図黒5、7はわからないですが雰囲気は良さそう。白模様を制限しつつ黒模様を広げる感じですね。
ただ上図は白の打ち方も上手い。
まずは白8から一番弱そうな下辺の石を安定させ、黒19に手を抜いたのも機敏。確かに白20は弱い石から動く基本を守っています。黒模様も制限して大きい。
実戦図4
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上辺は互いに眼のない石がぶつかっている場所ですから、出来れば自分の優位を主張したい所です。
だからか黒3、5と力強く白石に響かせていたり、白8、14と目一杯の頑張り。眼のない石を抱えている人の態度ではないです。
これは読みに自信があるからこそ出来る力技ですね。
実戦図5
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上図黒1に白2は冷静。言わば黒の振りかぶった拳にただ「ごめんなさい」したようなものです。
白は身の危険を感じたのか、それとも形勢判断して足りてると見たのか・・・・。
とにかく謝らせれたので、流れだけを見るなら黒が良さそうですが。
実戦図6
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ただ上図白2は厳しいなあ。僕が黒番なら飛び跳ねてるくらいの厳しさです(全く伝わらない)
この手を白は見てたのですね。この白石が取れないとなると、黒は7など守る手を打たねばならないのが辛い所。
形勢は白が盛り返してきました。
実戦図7
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白10はヨセの手筋でコウが始まりました。
ここは普通にコウ立てを打ち合っているだけなので飛ばしますが、黒がこのコウに負けると自身の眼にまで影響してくるのが辛い所。
実戦図8
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とてもとてもとても辛いことではありますが、黒は白2のコウ立てには受けず解消を選びました。しかしこのコウ立ては強烈です。
一応黒13でフリカワリの形ではありますが、白22で左下隅は死に。中央白もコウとは言え白にそばコウが多すぎる。上図では白勝ちははっきりしました。
実戦図9
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白42まで。
白中押し勝ち。
左上で黒が儲けましたが、コミが出せないくらいの形勢です。
総評
最近MasterがZeroに善戦しています。
いや前から強かったのですけど、本局はMasterが勝つかもという瞬間がありました。
しかしZeroもそう簡単には土俵を割らず、中盤あたりに出た厳しい逃げ出しから上手くペースを掴んだと思います。
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