どうも!こんにちは。みやれーです。
囲碁AIの躍進する昨今。もうAIが人間より勝ることは周知の事実となりました。そのため、AIの打った新手、新定石をプロ棋士の対局で見ることが多くなり、アマチュアの対局でもAI定石を使う場面は増えています。
もう囲碁AIの影響は、どこか遠い世界の話ではなく、碁打ち一人一人の問題になっていると言えるでしょう。
なので、このブログでは、囲碁AIの打ち出した新手、新定石をまとめてみたいと思います。定石辞典みたいなものがあれば便利かな?と思いましたし、なにより僕自身の勉強になりますからね^ ^
星への両ガカリ
今回のテーマは星への両ガカリです。古くからある定石ですが、AIの新手が多数産まれています。
テーマ図
黒3は手抜き
上がテーマ図。白2、4の両ガカリに、黒5、7のツケノビを選択。白8とツケて、この後の打ち方が焦点になる。
図1
白6は黒9の上
黒9はAIが多用したことで広まった一手。新手ではないが、人間の実戦例は著しく少ない。
まず黒11とカカエた時のシチョウは黒有利が条件。白12には黒13とすぐ取っておくのが本手になる。
これは白10、12と連打出来て立派な形。さらに先手も白に渡るため、白に不満のない分かれになる。しかしAIは、下辺方面に大きな黒模様が見込める場合などに、上図の黒9を多用する。部分的には白有利なので扱いが難しいが、この図でも黒が打てるということをAIは証明している。
図1-1
隅は黒1と切って様子を見る手段がある。白2ならば黒3〜7までで生きを確保。白地を荒らす。しかしそれほど大きな稼ぎでもないので、黒1は後々の手段になる。
図1-2
黒1は白2の上
白2とアテれば黒3、5で突き抜けれるので、黒不満なし。白は大体の場合図1-1を選ぶ方が賢明。
図2
黒9と受けるのは基本的な手段で、多くの実戦例があるが、黒11がAIの新手。軽くサバこうという意味の手だ。今では市民権を得て、プロの棋戦でも多く登場している。
上図で一段落と見て、白12を手抜くのも一策。
図2-1
まず白1と切る手が気になるが、隅には拘らず黒2、4と打つのが黒の狙い。隅の白地は大きいが、外側の黒は攻められない格好で、なおかつ先手。AIはこれで黒不満なしと判断した。
図2-2
白1と一度出るのが定石化された手順。黒2と代わってから白3とハネることで、黒の形がやや悪くなる。黒6までで白に先手が回るが、黒も根拠を得て安定している(後術)ので、互角の分かれ。
図2-3
白1と隅をツナげば黒2とヒラいて安定出来る。
図2-4
白1と辺から迫れば黒2と切れるので、黒石は安泰である。1と2は所謂「見合い」の所。白は隅から打つか、辺から打つかを周りの状況によって使い分ける。
図3
黒9、11は人間が何十年と愛用してきた手段で、見慣れた人も多いと思う。しかしAIは、この後も多くの新手を発掘してくれている。
この図3は白12とコスんだ場合について。
図3-1
黒1と飛んで左辺と下辺を見合いにするのが、人間の使う一般的な手だった。
白2と下辺へ行けば黒3と左辺へハサむ。
図3-2
白2と左辺へ向かえば黒3と下辺へハサむ。この図でも黒は悪くないが。
図3-3
白1、3の切りがいつでも先手なため、中央の黒が浮き、今後難しい戦いが予想される。
図3-4
そこで黒1とハサミ、白2の飛びに黒3と安定を図る簡明策を打ったのがAIの新工夫。隅が生きているのは勿論のこと、黒3が黒1の石の援軍になっていて、黒1は中々攻められない。簡明で互角の分かれ。
図3-5
黒1とカケる大技もAIの新手。こちらは難しい変化を含む。
図3-6
白2と押し上げて、黒3には白4と切るのが気合いだが、黒5、7とここを絡めていくのが黒の狙い。黒9、11となれば、シチョウがあるので白12は仕方ない。黒13で白一子を切り取り。白は14、16と渡って逃げて、一段落。
黒は先手で眼形を持ち、白は左辺方面に立派な厚みを作った。互角か、やや白良しの分かれと思う。
図3-7
白2のハイには、黒3、5と勢いよくハネる。以下黒11までとなり、意味合いは図3-4とほぼ同じ。隅を生きつつ、左辺に黒石を送っている。しかし、図3-4よりも多くの黒石が左辺にあるため、上図の方が優れていると思う。やや黒良しの分かれ。
図3-8
先に白4にマゲるなどして、白が左辺を重視してきた場合は黒9とハサむ。左側に黒の壁が出来た分、黒9のハサミは厳しい。
図3-9
黒5は白6の左、黒7は白8の左
長手順になるが、人間同士の実戦例も載せておく。黒11とカケる手があるらしい。
しかし上図の分かれでは左下隅が大きな白地となり、中央もまだ戦える状況なため、白が有利に思う。黒11のカケはまだ研究が必要そうだ。
図4
白12の押し上げも定石の一つであり、黒13とカケるのが急所。
図4-1
白1が軽い進出。これには黒2、4と戻って、黒石を安定させておくのがよく打たれていた手法。上図の後、白は左辺か下辺にヒラく。
図4-2
前図では物足りないと見て、黒2と大きく被さってきたAIがいた。白3、5で脱出はされるが、黒6とハネて白を攻める格好が整う。上図は黒が互角以上に戦える。
図4-3
白3と足早に脱出することも可能。しかし、やはり黒10とハネれては、黒が十分に戦える分かれ。黒2は中々有力と思う。
そもそも図4黒13のカケは厳しく、白は避けた方が良いかもしれない。
図5
白12と敢えて一間にヒラくもの最近の新手。一見縮こまり過ぎにも見えるが、ちゃんと理由がある。
図5-1
上図白12と二間にヒラくと、黒13とツケられるのが嫌らしい。特に黒17が眼形の急所であり、黒石はしっかりと根拠を持つ。
しかし白も下辺と左辺の両方を打てているので、それほど悪くはないと思う。図5の白12はより厳しい手をという意味だろう。
図5-2
黒13とノゾキたくなる。これには白14、16と対応し、あくまでも黒の根拠を奪う。以下白24まで。黒は中央へ足を伸ばし、白は根拠を得た。一見黒の形が立派に見えるが、少し薄みがあるようだ。
図5-3
周りの状況によっては、白1とくすぐられるのが黒の嫌味。意外にも白3、5の対応が難しい。白1が上手く決まると黒は痛い。
黒は常に上図の白1を頭に入れておく必要があり、神経を使う碁になるだろう。
図5-4
黒は手を抜くことも可能で、その場合は白1が好点になる。
まとめ
星への両ガカリについて、僕が目に付いたAIの新手をまとめてみました。目新しい手が多かったのではないでしょうか?
今回紹介した図はどれも決定版ではなく、まだ研究途中。これから見解や手順が変わる可能性もありますし、AIがまた新しい手を産み出すかもしれません。その場合はまた追記していけたらと思っています。
AIの登場で急速に進化(変化?)している囲碁ですが、頑張って柔軟に対応していきましょう^ ^
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