ワールド碁チャンピオンシップ2019一回戦!井山裕太VS江維傑
どうも!こんにちは。みやれーです。
3月18日より、日本棋院東京本院にて「ワールド碁チャンピオンシップ2019」が始まりました。本戦シード組4名と、予選を勝ち上がった4名の計8名が、三日間かけて世界一の称号を争います。
今記事では一回戦、井山裕太九段VS江維傑九段の対局をお送りします。
前回記事
井山裕太VS江維傑
つい先日、棋聖戦を劇的な内容で防衛したばかりの井山九段。疲れは残るでしょうが、防衛直後ということで精神的な充実はあるかと思われます。
対する江維傑九段は中国代表27歳。一度世界戦優勝を経験している実力者で、現在の囲碁世界レーティング(非公式)では11位と好位置につけています。
日本では圧倒的な成績を残している井山九段ですが、前述の世界レーティングでは29位。つまり今回は格上との戦いです。日本の代表として背負うものも大きいでしょうが、ぜひとも頑張って欲しいです。
黒番 井山裕太 白番 江維傑
実戦図1
序盤早々の黒15がとても珍しい手でした。井山九段は前例の無い碁ほど力を発揮する棋士でもあるので、中韓の深い研究を外そうという意図があるのかもしれませんね。
黒15では一路左に寄せてカカるのが一般的です。
実戦図2
黒2、4から隅で眼形を確保しつつ、黒8で下辺に幅を持たせました。両方頑張ろうという意図ですね。白9と圧迫されましたが、結果的に白15と逃げるだけの手を打たされたのが辛く、左下は黒有利の分かれとなりました。
実戦図3
黒1とツケて黒5とノビたのは最強の頑張り。下辺を広げつつ左辺の白模様を削減しようとしています。ただその分白6と打ち込まれて碁が紛糾するので、やりすぎになる可能性があります。
実戦図4
黒1、3と割いた時には白4が根拠の要点で逃せません。
白10から動いても現在は取られるのですが、下辺で戦いを起こした時の利き筋として活用しようという意味でしょう。一種の捨て石作戦です。
白16で襲いかかりました。
実戦図6
白7でピッタリと渡ります。一応隅の黒石はこのままで生きていますが、外側が切断されたので一抹の不安が残りました。これは江九段が前に打った手を上手く活かした結果ですね。
黒16は薄いのを承知で手を伸ばしています。
実戦図8
黒1〜5が冷静な好手。黒9で白三子を取りながら危機を脱しました。逆に白は10と地にならない手で生きを強いられたので、黒13と中央を制して黒優勢がはっきりとしてきました。
実戦図10
白の狙いは下辺から連なる黒の大石への攻め。ということで黒4、8としっかり逃げ出します。
黒14は白石の眼を狙った厳しい一手ですが、白もお返しに白15の切り。見た目はこの切りも厳しそうですが、黒は対策を用意していました。
実戦図11
黒1のノゾキが2の点と3の点の両切りを見合いにした好手でした。一応白も4、6が上手い対応でKOとまではいきませんでしたが、白4の一子を取りつつ黒11とアテて、弱かった黒石が強化されたので十分な成果です。
まとめ
井山裕太九段は一回戦を見事勝利!強豪相手に一歩も引かぬ戦いを見せました。
本局は黒が下辺で頑張ったことから一時紛糾しましたが、見事な読みと戦闘力で優勢を確立。その後は相手を寄せ付けぬ完璧な収束を見せたと思います。白としては下辺でもっと良い図が無かったのか。敗着を探すのであれば下辺での戦いにまで遡る必要がありそうです。
一回戦を江九段相手に素晴らしい内容で勝利した井山裕太九段。明日の準決勝は中国のNo.1棋士柯潔九段と対戦します。
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