囲碁は好きですか?

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会津中央病院女流立葵杯第二局!藤沢里菜VS謝依旻

どうも!こんにちは。みやれーです。


挑戦者謝依旻女流本因坊の先勝で幕を開けた第5期会津中央病院女流立葵杯挑戦手合三番勝負。6月17日には第二局が行われました。


前回記事

藤沢里菜VS謝依旻

防衛に望みを繋げたい藤沢里菜女流立葵と、一気に奪取してしまいたい謝依旻女流本因坊。三番勝負の第二局とあって、第一局とはまた違う緊張感の中、しかも休息日を一日挟んだだけでの対局。気持ちの持ちようが勝負となってくるでしょうか。


黒番 藤沢里菜。白番 謝依旻

実戦途中図1


棋譜再生

黒1の大斜ガケに白2と大斜ガケ返し。もう既に珍しい局面ですね。

黒3のツケからは定石になり、黒19で大斜定石が完成。大斜定石の基本とも言える形です。

参考図


棋譜再生

個人的な話になるのですが、僕の師匠が大斜定石愛好家でして、特に参考図白1のハザマ飛び(?)を好んで打っていました。黒2と受ければ白3へハサもうという、やや過激ですが面白い打ち方です。

しかしこの白1、師匠と兄弟弟子以外で打っている人を見たことがありません。そもそも良い手かどうかも分かりません。ただ僕の思い出の一手なので紹介させて頂きました。

実戦途中図2


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左下でも白2とツケ、大斜定石が始まりました。黒11で変化したことで同形にはなりませんでしたが、左右の大斜定石が繋がるという、とても面白い展開になりました。

参考図


棋譜再生

実戦の面白さに水を差すようで気が引けますが、僕はてっきり白1と切って、基本的な大斜定石は避けるものかと思っていました。黒8までは簡明な定石で、白9と被せれば、一応黒石を攻める格好が整います。

ただ黒に地を先行されている意味がありますので、謝女流本因坊は参考図では自信が無かったのかもしれません。

実戦途中図3


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白4は黒石にプレッシャーをかける大場。

黒5を一本打って黒7、9とは気合いが良いですね。石を目一杯に働かせて打とうしているのが良い雰囲気です。主導権は黒が握りました。

実戦途中図4


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黒3は厳しいオサエ。ここで頭を止められてしまうと白が苦しいので、戦いが起こります。

実戦途中図5


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黒1のマゲに至っては、白14まで変化の余地が無く一本道です。

白14で黒四子は取られますが、これは捨て石。先手を取って黒15に回ることが大きく、よく見ると中央右側の白石が完全に包囲されています。

白石が取られたら即投了ですが、仮に取られないとしても、白の辛そうな状況です。

参考図


棋譜再生

少し遡りまして、黒1と白石を割いた時点では、やや黒が打ちやすいのかもしれませんね。なので白はもう少し中央を頑張るような打ち方が必要だったかもしれません。上図は一例。

実戦途中図6


棋譜再生

白6のワリコミ。黒二子を狙ったカッコいい手筋です。

参考図1


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黒2、4と助けに向かうと、白5と反撃されそうです。黒8で隅の傷み具合がすごいですが、白9とアテられた時、黒10と隅へ打つと白11で中央の黒石に二眼が出来ません。黒失敗です。

参考図2


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黒2と生きに向かっても、白5と抜かれて隅の攻め合いが白勝ちですね。

白1とアテられると黒が駄目なようです。

実戦途中図7


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実戦は黒2と打ったのが冷静な良い手でした。白は尋常では勝てないと見て、白3、5、7のコウを仕掛けます。

参考図1


棋譜再生

下辺だけを見れば、白石の死活は白2、4、6で無条件生きを得れます。しかし黒3に石が来たことにより、今度は黒7、9と黒二子を助ける手が成立します。黒1、3が無ければ白は11の所へ切ることが出来ましたが、今は切れないので白10くらい。黒11と繋がって、中央の白石が危険です。

参考図2


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ちなみに黒石は100%生きています。なので白は実戦のようなコウを仕掛け、局面打開を図っているのですね。

実戦途中図8


棋譜再生

白1からコウが始まりました。お互いコウダテは多そう。

実戦途中図9


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黒1のコウダテに対し、白2と手を抜きました。黒3でコウは黒が勝ち、白は2、4と中央を連打するフリカワリとなりました。

参考図1


棋譜再生

白2とコウを争っても、結局コウダテは黒が多いという判断ですか。

参考図2


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黒3と一回付き合っても問題ないですが、白6、8と形良くアテられてしまうので善悪は微妙。黒は実戦の方が手堅いかもしれません。

実戦途中図10


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左下隅は丸々黒地になったので、地合いは黒有利です。なので白は上辺、もしくは左上付近で大きな得が必要となってきました。

実戦途中図11


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上辺は空間が空いているので、黒石のシノギは心配いりません。問題は左上隅の白模様がまとまるかどうかで、大きく地になるようであれば、白にも勝負を争う余地が出てきます。

上図では両者上辺を打っていますが、左上隅の三々入りが成立するかの読みで頭がいっぱいだと思います。

実戦途中図12


棋譜再生

ただ生きれば良いだけなら悩みも少ないのですが、左上の三々が絡んでくるとなると、どこに黒石があると三々入りが成立して、どこに白石が来ると無理になるのかを読まないといけないので、相当大変です。

満を持して黒15と三々に入りました。

実戦途中図13


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隅はコウになると白が形勢不利なので、白2と取りにいきます。黒5、7は鋭そうな雰囲気。

ここは難しい読み勝負なので、実戦の経過を見守りましょう。

実戦途中図14


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ここまで徹底して石を取りに行く展開も珍しい。コウで妥協する訳にはいかないので必死ですね。

そろそろ煮詰まってきました。

終局図


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黒8を見て白の投了となりました。

最後は白石が切れたため大石同士の攻め合いに発展しましたが、黒石の手数が長かったようです。

参考図


棋譜再生

終局図以降の証明。左上隅のダメを上手く詰めれないのが白の痛いところでした。


黒中押し勝ち。

まとめ

第二局は藤沢里菜女流立葵杯の勝利!通算成績を1勝1敗の五分に戻しました。


本局は黒が中央で主導権を握ってから、ずっと黒ペースで進んでいたかなと思います。コウを勝った時点で地合いは黒がリードしていたため、左上の白模様次第の碁となりましたが、最後の難しい読み合いを制した黒の勝利となりました。終わってみれば、藤沢女流立葵杯の見事な勝ちっぷりでした。



改めて振り出しに戻った女流立葵杯挑戦手合い三番勝負。最後の一局は6月22日、「日本棋院東京本院」で行われます。




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