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会津中央病院女流立葵杯第三局!藤沢里菜VS謝依旻

どうも!こんにちは。みやれーです。


前局から5日経った6月22日。第5期会津中央病院女流立葵杯挑戦手合三番勝負第三局が、日本棋院東京本院で行われました。


前回記事

藤沢里菜VS謝依旻

1勝1敗で迎えた最終局。宿命のライバル争いとなった今シリーズは、藤沢里菜女流立葵の防衛か、謝依旻女流本因坊のタイトル奪取か。今、二人の闘志は最高潮を迎えます。


黒番 藤沢里菜。白番 謝依旻

実戦途中図1


棋譜再生

本局は白が少し珍しい布石を展開して、上図の時点で既に見慣れない碁形となりました。特に白10のタイミングで三々に入る感覚は面白い。

参考図1


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普通は右下にカカる人が多いでしょう。右上の三々よりも断然広い場所ですから。

白1は低く小ゲイマにカカるのもあります。

参考図2


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あと個人的に、左上は白4、6のツケノビ定石を推奨したい。この方が実戦よりも白模様が広く、白1で出来た山型を存分に活かせていると思います。

実戦途中図2


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白2を一旦放置して白8へ。足早な打ち方ですね。ただ右辺の白石はまだ眼がないので、今後は右辺の戦いが焦点となりそうです。

実戦途中図3


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実戦は黒1を選択。地は白が先行しているので、黒は攻めでポイントを上げたいところです。

黒7まで中央を厚くして、更に黒9と拳を振り上げます。

実戦途中図4


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白も謝ってばかりいられないので、白2、4と頑張ります。しかし黒9、13と繋がっては黒も立派。地を得しながら白石の攻めも見れる格好です。

参考図1


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白2と切るのは安全ですが、黒3、5が先手では黒模様が広すぎて、白が分かりやすく劣勢でしょう。

参考図2


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白2と上辺を補強してしまうのも、黒3と切られて厳しいでしょうか。白石に生きくらいはあると信じたいですが、仮に生きたとしても、実戦より勝ると言えるかどうか。謝女流本因坊は苦しいながらも実戦で勝負しました。

実戦途中図5


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元々地を先行していた白。現在も目に見える地は白が多そうです。しかし生きていない石を抱えていると、その分損や妥協をする可能性が高く、またどの程度損してしまうのかも不透明です。なので基本的には、攻める方が打ちやすいと言われています。ただ実際は攻め側にも、先行された分の地をどこで取り返すか、どう攻めるのが一番良いのか。などと悩みが多く、そう簡単に勝負は決まりません。

上図は黒が攻め出した局面ですが、黒7は悪手。白8に石が来ると白10のマゲが好手になります。

参考図1


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白1のマゲに黒2と受けると、白3で黒石は繋がっておらず、コウです。かと言って黒2の代案も薄い手ばかりです。

参考図2


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ここは黒1、3と決める方が良くないでしょうか。これなら白6には黒7と打ち、実戦よりも手厚く繋がっています。

薄みがないとは、それだけ攻めに専念できるという事。参考図の方が実戦より勝る気がします。

実戦途中図6


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黒1と受けましたが、白4、6と先手で切り、白10へ回りました。左上の白石に余裕が出来ると、下辺での折衝も戦いやすくなります。

実戦途中図7


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黒1は攻めというより補強。黒3とハネて、少し薄くなった中央の黒を強くしたいとの意図が見えます。それを察してか謝女流本因坊、白4、12と中央へ猛進してきました。白にも薄みがある中で凄い迫力。白はどこまで読んでいるのか。

実戦途中図8


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黒1と切られると下辺の傷み具合が気になりますが、白は2、6と中央をアテていく予定でした。そして白10となって中央を見渡すと、いつの間にか中央の黒一団が包囲されつつあります。

ついつい下辺に目が行きがちなこの局面でこの発想力。視野の広さに感服します。

実戦途中図9


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戦いの途中ですが、形勢は混沌としてきました。流れは白に傾きつつあるので、黒も必死なところ。

実戦途中図10


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黒5の切りには白6と一回アテて、白8から突き抜いていくのが手筋。これで生きを確保出来ます。

実戦途中図11


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白2は生きる前の余得。黒13まで先手で決めて、白14の生きに戻りました。

参考図


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白4に黒5と上辺を受けると、白6で隅が困ります。頑張って黒13のコウになりますが、コウでは黒が駄目ですね。

実戦途中図12


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元々黒が打ちやすそうだった碁から、中盤は白の頑張りもあって流れが傾き、現在は互角の形勢。上図で終盤戦を迎えようとしています。

黒1と抜いたタイミングが勝負所。気合いで白2と特大のヨセ(両先手4目)を打ちましたが。黒5と手を付けられて薄気味悪い。何があってもおかしくない格好です。

実戦途中図13


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おそらく秒読みの中、ここを読むのは頭が混乱しそうですね。実戦は黒9とハネて黒に光明が見えてきました。

実戦途中図14


棋譜再生

実戦途中図15


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実戦は黒9で一段落となりました。

この戦いの収支決算をすると、黒は左下に出来るはずだった白地を大きく荒らし、黒地を作りました。白は左辺の黒地を荒らし、先手を得ました。

この結果では、はっきりと黒が優勢です。

参考図


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結果論になりますが、白1などと守る相場だったかもしれません。これならまだヨセ勝負です。

終局図


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最後は黒1が好手ですが、何事も無くヨセても地合いではっきり黒リードです。

黒中押し勝ち。

まとめ

第三局は藤沢里菜女流立葵杯の勝利!防衛を決めました!


本局は良くも悪くも謝女流本因坊の動きが目立った一局でした。序盤は白が見慣れない碁へと誘導しましたが上手くいかず、黒の打ちやすい碁に。その後中盤は、白の頑張りから盛り返していきます。

しかし藤沢女流立葵杯は我慢強かった。悪い流れをギリギリ致命傷を免れながら耐え、終盤に出た一瞬の隙を逃さず、勝利を掴み取る。まさに「勝負師」ですね。



これで対戦成績を2勝1敗とした藤沢里菜女流立葵杯は、会津中央病院女流立葵杯を2連覇。通算3回目の優勝を飾りました。おめでとうございます^ ^


そして対局者、関係者、観戦者の皆様お疲れ様でした^ ^




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