囲碁は好きですか?

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本因坊戦第三局一日目!封じ手予想

どうも!こんにちは。みやれーです。

6月2日は、第73期本因坊戦七番勝負第三局が秋田県能代市の「旧料亭・金勇」で始まりました。



日本棋院サイト
1勝1敗で迎えた第3局開始【第73期本因坊戦挑戦手合七番勝負第3局】 | 棋戦情報 | 囲碁の日本棋院



1勝1敗で迎えた第三局。一日目から両者工夫を凝らした序盤戦で、とても内容の濃い一日目となりました。この記事ではその模様を振り返りながら、最後は封じ手予想したいと思います^ ^



前回記事

現局面


棋譜再生

白1とオサエた所で、黒の山下九段が次の一手を封じました。

予想に行く前に、まずは一日目の展開を振り返りましょう。

井山裕太VS山下敬吾 一日目


黒番 山下敬吾。白番 井山裕太

実戦途中図1


棋譜再生

本局は白1のカカリに黒2と手抜く工夫を見せたことから碁が動き出します。白3、黒4とお互い我が道を行く進行です。

参考図1


棋譜再生

正確な事は山下九段に聞かねば分かりませんが、黒2と白3のヒラキを交換してからの黒4では、白5等で受けられるのを嫌ったのかな?と思います。互角の進行ではありますが、戦いの無い碁になって山下九段には不満かもしれません。

参考図2


棋譜再生

もし、先に黒2、白3を代わることが出来れば、今度は黒4とハサむ予定でしょう。右下がこの定石になるとすると、なんとなく全局的に、白は下辺に石が集まり過ぎていて、黒は全体にバランス良く配置出来ている感じです。

おそらく上図が山下九段の目指した図だったのでしょう。井山本因坊もそれを見越して変化しています。

実戦途中図2


棋譜再生

黒1のカケに対して、白2、4だけ打って白6と手を抜きました。これは本来、黒7のオサエ込みが地と厚み両方の意味で大き過ぎて、白が悪い打ち方なのですが、それよりも白6へ先着する利点の方が大きいとの判断ですね。

参考図


棋譜再生

白1と飛べば定石ですが、黒2で頭を出して来そうです。仮の図ですが、上図のような展開を白は嫌いましたね。

実戦途中図3


棋譜再生

右下隅で黒石が封鎖されたので、黒1から生きに行きました。

黒3と打てば生きるのは造作もない事ですが、白4がまたこの碁を複雑にします。

参考図1


棋譜再生

まず隅の生きについて。

黒1に白2と隅の眼を取りにくれば、黒3で外へ脱出出来ますし。

参考図2


棋譜再生

白2で外を止めれば黒3で隅に生きるスペースを作ります。

参考図3


棋譜再生

なので隅にはこだわらず、白2と左辺にヒラいていれば無難な進行でしたが、実戦は一番厳しい手で挑みました。

実戦途中図4


棋譜再生

白1とツケたら後は必然。黒2のワリコミに白3の切り。なんだか石が切れ合ってきて、戦いの予感です。

参考図1


棋譜再生

白1のツケには、黒2、4と打てば隅に生きるスペースはあります。しかし、白1、3と棒に繋いだ厚みが美しく、白に不満無しの格好でしょう。

参考図2


棋譜再生

なので黒2のワリコミが打てれば嬉しい。仮に白3と外からオサエると、今度は前図と違い、白3の上に白の断点が出来ています。ここに弱みを抱えている以上白の厚みは完璧とは言えず、白に不満が残ります。

参考図3


棋譜再生

だからと言って白5と上をツナぐと、隅の黒に眼の心配がなくなるので、黒6等の大場に先着されてしまいます。これでは白失敗なので、黒2のワリコミには実戦のように切るのが必然のようです。


実戦が必然ならば、白1を打った井山本因坊が戦いを誘ったということが分かりますね^ ^

実戦途中図5


棋譜再生

黒3は形が悪そうに見えて上手い。黒5の切りが打てたので、黒9から外へ脱出出来ました。

参考図1


棋譜再生

黒1、3と出るのはこの場合は悪手。白4とノビ切られ、黒の動きが鈍いのです。

参考図2


棋譜再生

もし黒1に白2とこちらを押せば、黒3を利かして黒5へハネる事が出来ます。この図ならば前図白4の形の良いノビ切りを防ぐ事が出来、黒の動きが良いのです。

実戦途中図6


棋譜再生

白1は地だけではなく眼形にも関係してくる大きな手。ただその代わり、黒2と動き出されて白石が切れました。

参考図


棋譜再生

白1と中央黒二子を制す手も厚いですが、やはり黒2と下がってきます。この図から布石をやり直すのも互角の展開に見えますが、井山本因坊は徹底して戦いたいのでしょうね。

実戦途中図7


棋譜再生

黒1の飛びに、白は2〜6と目一杯の手を見せます。厳しさを追求する井山本因坊らしい打ち方ですが、白の連絡が薄すぎるので一見、白が怖い打ち方です。

参考図


棋譜再生

白2と飛べば無難そうですが、白に捻りが無く物足りない感はあります。特に中央の黒が厚くなるのが鬱陶しい。

そういう背景もあり、実戦の厳しい着手になったのでしょうか。

実戦途中図8


棋譜再生

黒1で中央の薄みを突いてきた局面。注目の次の一手でしたが、なんと白4!これは見る人全員の度肝を抜くような一手で、そもそもこの白4が一瞬でも頭に浮かぶ事が凄すぎます。

参考図1


棋譜再生

部分的な話をしますと、白1と渡っておけば後々、白3〜黒6まででシボリが打てる場所です。見た目は明らかに黒が愚形なので、常人ならば白1で満足します。

参考図2


棋譜再生

しかし実戦の白1は、普通黒2と代わって前図のシボる手段を無くす手です。前図が最善と見る常人からしたら白の悪手にしか見えませんが、どういう意味があるのでしょう?

参考図3


棋譜再生

先に言うと、白1には黒の眼を奪っている意味があります。仮に上図の展開だと、白1、黒2の交換が上手く利いて、右辺の黒に生きがありません。

参考図4


棋譜再生

前図の交換がないと、上図の手段で生きがあります。

参考図5


棋譜再生

前図までの手段を踏まえると、黒4へ受けるくらいですが、白5の切りも中々に厳しい。確かにこの図は白が良さそうに見えます。


実戦白は驚愕の手段に出ましたが、どうも良い手なようです。一体、世界中の何人がこの妙手に気付けるのでしょうか。

実戦途中図9


棋譜再生

実戦は黒1と出ました。これだと白2に黒3という辛い屈服を強いられる事になりますが、致し方なし、我慢する時だと判断しましたね。白4とオサエて、一日目が終了しました。

封じ手予想

今回の封じ手はほぼ二択かな?と思ってます。

候補1


棋譜再生

白に1の点へ切られるのが強烈なので、黒1とツナぐのが普通です。以下白4までが予想されます。

候補2


棋譜再生

ですが黒がツナぐ前に、黒1と切ることが可能です。結局黒3とツナぐ事になるのですが、前図と比べて黒1と白2の交換がある方が良いかどうかが難しい。悩みだしたら何時間でも考えれそうな場面です。

封じ手予想


棋譜再生

悩みますが、封じ手は黒1の単ツギを予想します。山下九段なら切りを一回打ちそうな気がするのですけど、個人的には単ツギの方が良さそうに見えるので、予想は黒1です。



現在の形勢はやや白良しな感じですが、ここまで両者工夫の連続で面白い内容となっているので、明日の展開が楽しみです^ ^




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