海比奇杯 李世ドルVS柯潔 AlphaGoと戦った二人が超激戦!
こんにちは。みやれーです。
1月13日、韓国で海比奇杯(haevichi杯)という試合が行われました。
これは大会ではなく、韓国を代表する李世ドル九段と中国を代表する柯潔九段の特別対局のようです。
勝った方には賞金3000万ウォン(日本円にして300万ちょい)と、SUV車が贈られるとのこと。
その棋譜がネット対局場「幽玄の間」で中継されていたので、少しばかり解説付きで紹介したいと思います。
黒番李世ドル。白番柯潔。
実戦図1
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黒5と中国流から一路下へずらした布石からスタートしました。一部の人からベトナム流とか言われてたりする布石ですね。
右上白10に手を抜いて黒11と左上の三々へ入りました。白も負けじと白18の手抜き。こういう手の抜き合いは形が決まりにくいので、乱戦になることが多いです。黒21から石が切れてきました。
実戦図2
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上図黒5のカケは目一杯に頑張った一手。その分白10の薄みが残ります。
参考図
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実戦白14では、参考図の白4のように並びたい所だと思うのですけど、何か嫌なことがあったのでしょうか。黒5、7ツケ切りとか飛んでくるのですかね。ちょっとよくわからないです。
実戦図3
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上図白2、4を白は利かしと判断しました。このあたりは善悪不明です。
白6からは一本道。白30までこうなる相場。
実戦図4
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上図白2からまた正解がわかりにくい碁となっていますが、黒11〜15と黒石が内側へ縮こまったのは辛そう。
逆に白は白24や28と石に勢いが出てきて良い感じに見えます。
参考図
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実戦黒5では、参考図の黒3が利いている訳ですから、参考図黒5と打ってみたい気がします。しかしこれが良いとは言えないし、難しい勝負ですかね。
実戦図5
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上図白8は手厚い構え。右下黒模様を荒らすための準備といった所でしょうか。
しかし白24とは強烈。僕は全然気がつきませんでした。打たれてみたらなるほど、隅の黒を取る手をチラつかせながらの厳しい手段です。
実戦図6
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右下はコウになりました。後は白がいつコウを仕掛けるかです。
もう右下は爆弾みたいに強烈なコウなので、両者ともにだいぶ神経をすり減らしたことでしょう。黒もどこまでなら踏ん張れるのか。白も仕掛ける最高のタイミングはどこなのか。
勝負が決まるかもしれないコウだけに、両者気が気でないと思います。
結局白は22のタイミングで仕掛けました。
実戦図7
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コウダテは白が多いようで、一見黒が苦しそうに見えます。ただし上図黒9が妙手でした。白12でコウは白が勝ちましたが、まだ右下は一手寄せコウで粘りがあります。
結果、白は右下を全て取りましたが、その代償として黒は左上を全て取ってしまいました。
まさかこんなフリカワリになるとは・・・・。これも全て黒9の妙手の力。しかしこれで形勢良い勝負なのは、流石世界のトップ棋士のお二人です。
実戦図8
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上図白2、4はなるほどな手段。黒にとって一番嫌な打ち方です。
白18などギリギリの手段で踏ん張っている所を見ると、やや白が悪いと判断しているのでしょうか。互いに100目を超える大きな地を取り合ってますから、対局中の形勢判断がとても難しいです。しかしこの二人だと出来ちゃうのですかね。
実戦図9
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最終手まで載せました。黒67まで
黒1目半勝ち。
これだけ戦って1目半。人間技じゃないですよ。もう。
序盤から中盤にかけて、おそらく白の柯潔九段が良かったと思います。しかし本局最大のハイライト。右下のコウで李世ドル九段が上手く立ち回ったようで、際どく逆転に成功したようです。
もうよくわからないのですけど、ものすごい激しさでした。世界を代表する二人の名局だったと思います。素晴らしい碁をありがとうございました。
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