最強の棋士、道策
こんにちは。みやれーです。
1600年代を生きた棋士なので、およそ400年も前の人物ですが、今なお道策を超えた囲碁棋士はいないのではないかと噂されるほどに強いです。
また囲碁界ではじめて[手割り]という考え方を考案したとされる棋士で、彼がいたおかげで囲碁の研究が100年分早まったとも言われています。
今回はそんな道策の強さが比較的わかりやすい碁です。
黒番杉村三郎左衛門。白番本因坊道策。
道策は目外しが好きでよく打っています。
当時の布石感覚は現代では違和感がありますね。黒5とか。
上図白12の決め打ちや、白14のカケはアルファ碁が好みそうな打ち方です。
上図白2。ここが大きいのですね。
ぱっと見では右下方面に目が向かいましたが、白は前図から上図の白4までが予定の行動でしょう。
こういうわかりにくい中央の価値を計るのが道策の強い所でもあります。
上図黒1は行き過ぎでした。すかさず反撃されて黒の苦しい戦い。しかしここまで行かねば負けと見ての勝負手だったのかもしれません。
そして本局のハイライト。
白2!通常はありえない手ですが、この場合は右辺の黒石へのもたれ攻めとなっていて、結果地を作りながら攻める理想の形になりました。
最終手まで載せました。(白16まで)
白6目勝ち
この碁は棋譜が最後まで残っておらず、ここで終りです。形勢ははっきり白良しです。
道策の強さは勝負を決定づける手、決め手に説得力がある所です。この碁で言えば前図白2のツケですが、こんな手を打たれては仕方がないというか、首を綺麗に落とされたというか、美しいくらいに技が決まっています。
他の碁でも、道策は華麗な技を披露してくれているので、機会があればまた取り上げたいです。