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グランドチャンピオン戦準決勝!井山裕太VS本木克弥

どうも!こんにちは。みやれーです。


今日3月31日は第5回グランドチャンピオン戦の準決勝、決勝が行われました。


日本棋院サイト
第5回(2017年)グランドチャンピオン戦 | 棋戦 | 囲碁の日本棋院


2017年のタイトルホルダーが一堂に会したこの大会。いよいよ大詰めを迎えた準決勝の組み合わせは

となっています。


その中でもこの記事では井山裕太七冠VS本木克弥八段戦を取り上げます。日本の第一人者対若手の対決。特に本木八段はつい先日、国際棋戦で韓国の李世ドル九段を破る好調ぶりを見せています。どんな戦いとなるのでしょうか。

井山裕太VS本木克弥

本局の中で僕が気になった場面をいくつか紹介します。

黒番 本木克弥。白番 井山裕太

実戦途中図1


棋譜再生

本局は白1の肩ツキから動き始めました。

白の狙いは右上黒模様の削減ですが、白1〜黒8までを利かしと見て白9とツケたのは厳しい発想。善悪はともかく、井山七冠は読みの勝負に持ち込もうとしています。

実戦途中図2


棋譜再生

黒の立場としては、右上は黒石が多い場所ですから白に楽させたくはありません。出来るだけ攻めたいです。なので上図黒2、4と白の間を切りに行ったのは当然の行動。

白9の逃げ出しに黒10の抜きは仕方ないですね。

参考図


棋譜再生

黒のダメが詰まっているので白5と切られると危ないです。


実戦はまだまだ競り合いが続きます。

実戦途中図3


棋譜再生

上図黒1、3とツケノビておいて、白の弱い石は右上と右辺に二つあるのに対し、黒の弱い石は中央一つだけなので、通常なら黒がやれそうな戦いです。

ただ井山七冠は白4と上辺に手掛かりを求めました。以下黒11まで進んだ時、白12と遠回りに打ったのが手筋。一番きつい手です。

参考図1


棋譜再生

白1の意味は、黒2と謝ってもらって、それから白3、5と上を止めようという意味です。

参考図2


棋譜再生

普通に上図白1からアタリするのと比べると、参考図1の方が黒の地を減らせていますね。


実戦は参考図を嫌って黒13の上ノビ。依然戦いです。

実戦途中図4


棋譜再生

説明が難しいですが、白2が手筋です。白6が先手になる場所なので、突飛なようでも成立しています。

ただ難しいのが、白6を打つと黒11で右辺の白一団が封鎖しれてしまうのですね。白12までで白は上辺で儲けましたが、黒13で右辺は全て黒地です。

読みも物凄く難しいですが、形勢判断も難しい・・・・。難戦です。

実戦途中図5


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上辺の白地が立派そうですが、黒1から手を付けにいきます。以下黒5、9が好手で、黒15で上辺はコウになりました。所謂天下コウですね。

上辺のコウは勝つか負けるかで約90目の出入りがあるので、どこのコウダテも利きません。黒は19、21と連打して右下隅の白を取りに行きます。

実戦途中図6


棋譜再生

上辺一帯は大きな白地になりましたから、黒としては右下隅を全て黒地に出来れば嬉しいところです。

右下でとても難解な詰碁が出来ていますが、おそらく黒9がミスですね。実戦白14が好手で、黒15にも白18、20の連続ホウリコミでオイオトシの生きです。

少し詳しく見てみましょう。

参考図1


棋譜再生

まずややこしいので実戦図以降の解説をすると、白の眼を取るためには黒1、3と打たねばオイオトシになってしまいますが、よく見ると白4と返されて大きなウッテガエシですね。これは黒駄目なので、白生きなのです。

参考図2


棋譜再生

最初に戻って、黒は白の眼を取るために黒3とハネます。もしこれに上図白6と取ってしまうと、黒7で死にます。隅は三目中手で一眼しかありません。

参考図3


棋譜再生

だから白2と変化に出たのが実戦ですが、ここで上図黒5と打っていればこの白は死んでいたのではないでしょうか?実戦はこの手を逃し生きられていました。


ややこしい詰碁なので僕が勘違いしている可能性もあります。もしこの白が死んでいたら黒勝勢だったのですが、逆に生きては白勝勢です。

終局図


棋譜再生

白中押し勝ち。

まとめ

右下の死活は別の方の解説も見てみたいところですが、多分黒が正しく打てば死んでいたとおもいます。(間違ってたら訂正します(-_-;)

好調の本木八段が井山七冠を負かすチャンスのある一局でしたが、これを勝ってくるあたり流石絶対王者です。逆転、と口で言うのは簡単ですが、普通はそう毎度毎度逆転出来るものではないです。井山七冠の逆転力には言葉が出ません。


これで井山七冠はグランドチャンピオン戦決勝進出です。2017年をものにした男がこのままグランドチャンピオン戦も制すのでしょうか。




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