今村俊也VS兪斌！第3回ワールド碁チャンピオンシップ国際予選一回戦
どうも！こんにちは。みやれーです。
1月24日から日本棋院本院で「第3回ワールド碁チャンピオンシップ」の国際予選が始まりました。29日までの六日間、日中韓のトップ棋士89名が東京に集まり、計3枠しかない本戦出場枠を争います。
今記事ではその中から、今村俊也九段VS兪斌九段戦の感想を書いていきます。
関連記事
今村俊也VS兪斌
本局は40歳以上が対象となるシニア枠の予選。今村俊也九段は関西棋院所属の52歳。昔は碁聖、王座の挑戦者になり、時には関西棋院の理事になるなどして、長らく関西棋院を牽引し続けている棋士です。碁は「世界一厚い男」の異名を持つほど厚みに特化した棋風。布石を厚く組み立てジリジリと追い詰めていく碁を得意としています。
対する兪斌九段も長らく中国囲碁界を牽引してきたレジェンド棋士。51歳。LG杯世界棋王戦やテレビ囲碁アジア選手権での優勝経験があります。
黒番 兪斌 白番 今村俊也
実戦図3
白1から黒模様の削減を計ります。途中白13が上手い様子見で、黒の対応を見て右下隅へ潜るか、中央へ逃げていくかを決めようという意味ですね。黒14と対応したことで中央への出口がなくなったので、白17と自然に隅へ潜っていきます。次図で意味がわかりますが白15も上手いタイミングでした。
実戦図4
黒3と隅へ閉じ込めに来た瞬間、白4とコウを仕掛け白6をコウダテにしようというのが前図からの狙いだったようです。白4、6の連打のおかげで右上の黒石に眼がなくなり、攻守一転、白が攻める立場に変わりました。もちろん右下隅でコウを打ち抜いた得も相当なので白優勢とは言えませんが、素晴らしい構想力を見せていると思います。
実戦図6
黒5と屈服したタイミングで一度白6と上辺へ。これは軽い効かしのつもりだったかもしれませんが、黒7とツケたのが第一の問題。一見手筋を駆使して黒13まで、黒が活躍したように見えましたが、白16とマガられてみると黒の欠陥が見えてきました。
実戦図7
黒1とオサえたのが第2の問題。こちらはより罪が重かったかもしれませんね。白2、4とアタリされると、右上の黒石の連絡が危ういです。やむ終えず黒5と打ちますが白6と抜かれ、黒石が取られるかどうかのコウになってしまいました。
参考図1
一応黒1とツナいでおけば、どこも取られるとこは無さそうでした。しかし白2、4と中から活躍する手があり、白12などと外側を締め付けられるので、白のパンチが入っていたことは間違いありません。
