囲碁は好きですか?

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グロービス杯開幕!大西竜平VS趙晨宇

どうも!こんにちは。みやれーです。


4月20日より日本主催の国際棋戦、グロービス杯世界囲碁U-20が開幕しました!


日本棋院サイト
第5回 グロービス杯世界囲碁U-20 | 棋戦 | 囲碁の日本棋院


20歳未満の世界一を決めるこの大会も今年で5回目。日本主催の棋戦とあって、日本勢の優勝にも期待がかかります。


代表選手達は、

  • 日本代表 六浦雄太七段、芝野虎丸七段、姚智騰四段、藤沢里菜三段、大西竜平三段、関航太郎初段の6名
  • 中国代表 趙晨宇六段、許嘉陽六段、謝科五段 の3名
  • 韓国代表 李東勲九段、申真ソ八段、申旻埈七段の3名
  • 中華台北代表 許皓鋐五段の1名
  • 欧州代表 アントン チェルヌイフ アマ7段(ロシア)の1名
  • 北米代表 メリッサ カオ アマ5段(アメリカ)の1名
  • アジア・オセアニア代表 フ カン チャン アマ7段(マレーシア)の1名

と計16名の選手が出場します。

今大会の進行方法ですが、まず4つのグループに分かれてリーグ戦を行い上位2名を選出、つまりベスト8を決めた後に、改めてトーナメント戦を行い世界一を決めます。詳しい情報は上記の日本棋院のサイトをご参照下さい。


4月20日にはリーグ戦の第1戦、第2戦が行われました。本記事ではその数ある対局の中から、Aグループリーグ第2戦、大西竜平三段VS趙晨宇六段の対局を取り上げたいと思います。

両者共に第1戦を勝利しているため、この対局に勝利した方がリーグ戦を枠抜けし、負けた方は第3戦に回ります。

大西竜平VS趙晨宇

黒番 趙晨宇。白番 大西竜平。

実戦途中図1


棋譜再生

お互いに模様を張り合う序盤戦。黒2、4と右辺の模様を拡大した瞬間、白5とツケました。忙しい打ち方ですが、機敏に立ち回るのは大西三段の棋風でもあります。

実戦途中図2


棋譜再生

白3のハネ、白5の二段バネ、白9の二段バネとハネの連続です。どれもこれも捨て石含みの軽いサバキを目指していますが、良い手だったかは難しい所。

実戦途中図3


棋譜再生

上図黒2、4は白に眼を許さぬ厳しい手段。実戦は白15で一段落となりましたが、白は頭を出したとはいえ眼形が豊富ではなく、右上の黒模様も立派。まだまだこれからの碁ではありますが、個人的に黒を持ちたいです。

参考図


棋譜再生

少し戻って、俗ですが上図白1と切って白3、5とハイ込むのはどうでしょう?白7までとなれば、右辺だけで白は二眼を持っています。この方が後腐れがなく、実戦よりも打ちやすそうな気がします。

実戦途中図4


棋譜再生

大分進んで上図。黒1は右上隅のコウ味を消した手で、これで右上一帯は巨大な黒地となりました。が、黒1はやや早かったかもしれません。というのも白2、4が好手筋で、左辺をこの大きさで白模様に出来たのは望外の結果。これなら地合いで白も負けていません。好勝負が続きます。

実戦途中図5


棋譜再生

黒1は大きな打ち込み。黒9と隅の味を使って一稼ぎしようとしています。

実戦途中図6


棋譜再生

実戦は黒9が好手で左下隅は生きました。白8で先に白10へ打てば隅は取れましたが、下辺の白が薄く無理と判断しましたね。

参考図1


棋譜再生

まず、今白2と左下隅を取りに行っても、黒5で脱出されそうです。仮に白6だと、黒7で白が取られてしまいます。

参考図2


棋譜再生

なので先に上図白1と先着出来ていれば、参考図1黒7の手段を消して隅を取れそうですが、今度は黒6、8を利かされて下辺の白が心許ないですね。実戦白はこれを嫌ったのだと思われます。

実戦途中図7


棋譜再生

ただ生きられたとはいえ形勢は微細。上図白3から黒の薄みを突いて得をし、白11で下辺の黒一子が切り離す事が出来れば、むしろ地合いは白有利です。

実戦途中図8


棋譜再生

しかし黒4が妙手でした。お互い承知の上だったかと思われますが、黒4、白5を交換しておくだけで、黒6で下辺の一子が助かっているのです。

参考図1


棋譜再生

まず、単純に黒1、3と打っても白4で駄目ですね。下辺の黒石は助かりません。

参考図2


棋譜再生

しかし上図黒1、白2を交換しておくだけで、黒5のアタリが利く関係で、今度は白4の石が取られてしまいます。これが黒1が妙手たる所以ですね。


実戦でも細かい勝負なのですが、少し黒に残る形勢のようです。

終局図


棋譜再生

ここで白の大西三段の投了となりました。数えれば黒1目半くらいでしょうか。


黒中押し勝ち。

まとめ

勝ったのは中国代表趙晨宇六段!

残念ながら大西竜平三段は明日の第3戦に持ち越しです。一回負けても終わらないのはグロービス杯の良い所ですけどね。


本局の序盤は黒が打ちやすいかなと個人的に思うのですが、おそらく悲観するほどの事ではなく、中盤以降白は順調に進めていました。しかしギリギリ勝ちを与えないあたりが、趙晨宇六段の強さなのでしょうね。


もちろん本局以外にも日本勢は奮闘していましたが、関航太郎初段が2連敗しリーグ敗退となり、残る5名は全て1勝1敗、明日の第3戦に持ち越しとなりました。

中韓は手強いですが、明日も日本勢の活躍を応援します!!




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