農心杯第12戦 党毅飛九段VS金志錫九段
どうも!こんにちは。みやれーです。
農心杯も中韓残り2名ずつと終盤を迎えています。
今日の対局は現在農心杯5連勝中の 党毅飛九段 と、韓国屈指の戦闘狂 金志錫九段 です。
元世界王者同士の対決とあって内容は大接戦。300手を超えてもなお半目勝負の振り子は揺れ続け、右へ左へ振れる半目を我が物へとする両者の気迫は怖いほどでした。この熱戦を物にし、先に優勝へ王手をかけるのは一体どちらなのでしょうか。
実戦譜
本局の中で僕が気になった場面をいくつか紹介します。
黒番 党毅飛九段。白番 金志錫九段
実戦途中図1
左上はダイレクト三々入り、右上はカカリ一発三々入りです。
ここで打たれた黒3が最近強い人で流行っている打ち方です。白に3へ押さえ込まれるのを嫌っての黒3ハイですが、不思議な手ですよね。善悪はよくわかりません。
実戦途中図3
現在右辺の白一団に眼がありません。白が用意していたシノギは白8であり、普通に対応してもらえれば生きがあります。しかしここで黒9、11とあくまでも眼を取りに行ったのが強情な手。これで部分的な二眼は無くなりました。
実戦途中図4
先程の図の続き
眼が無くなった白は外に脱出を図るしかありません。その点白2、4はとても上手い手で、白6と打てて脱出成功。しかしそのかわり黒は7で左下の白一団を丸呑みしました。
これで戦いもひと段落、次の大きい所はどこかな?と思った矢先、黒11に手を抜いて白12、14が椅子から転げ落ちるほどに驚きの反発。中央は黒15でポン抜かれてしまいましたが、どうなっているのでしょう?
実戦途中図5
また先程の続き。
白の狙いは2〜6と打って生きを得て、なおかつ左下の黒一団に眼が無いよと言っているのです。もし取られていたら右辺白一団も大復活を遂げるので、黒は耐えられません。
ですがそこは流石に読みが入っていて、黒7で左下黒はコウになりました。いやはや、なんて激しいのでしょう。
実戦途中図6
実戦は黒がコウを解消し、白が右辺一団を生還させる変化となりました。
これで碁は仕切り直し。一転してヨセ勝負となりました。しかしこの激しさで半目勝負になるのだから、碁とはわからないものです。
まとめ
手に汗握る大熱戦とはまさにこの碁のこと。
中盤から激しく切り結び、必死に戦い抜く両者を待ち受けていたのは半目差を左右する一つのコウ。この死力を尽くした戦いが報われるものとなるのか、はたまた不意に終わるのか。もう勝負は神様の御心次第かと思われたその瞬間、金志錫九段が見せた最後の妙手。半目勝負すらも神に任せず、自分の力で掴みにいった最後の一手が、神様の心を動かしたようです。
これにて残りの棋士は
- 韓国 朴廷桓九段 金志錫九段
- 中国 柯潔九段
となりました。
次はついに中国の大将柯潔九段の登場です。明日も目が離せない一戦となりそうですね。
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