本因坊道策の神業
こんにちは。みやれーです。
今回は囲碁史最強の名人と言われる本因坊道策の名局を紹介します。
素晴らしい手の数々が見られますので、ぜひ最後まで鑑賞してみてください。
黒番 井上因碩。白番 本因坊道策。
実戦図1
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白10〜黒19は現代の中国流と同じ展開です。この中国流の構えが300年前にも打たれていました。
白10は道策がよく使っていたとも言われていますから、正しくは「道策流」なのでしょうね。
実戦図2
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上図白2〜8は流石道策、美しい石運びです。
右下黒の眼がはっきりしていないこともあり、黒9と補強しました。下辺の白模様は後からでもなんとかなるとの予定です。
実戦図3
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上図黒1から手順を尽くして眼を作りに行きます。黒3〜15と狭いながらも所帯を持ちました。二眼は無いのですけど、下辺だけでコウになります。
実戦図4
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上図白2からがまた美しい石運び。白6まで利かしてから白8と黒一団の頭を止め、それから白10と手を戻します。先に白8と打ってから白2と打つと、必ず黒3と受けてくれるとは限りません。反発されて戦いになると、白8、黒9の交換が悪手になる可能性が高いです。なので実戦の手順が美しいのです。
実戦図5
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上図白2〜6は俗な手に見えますが、ここの黒をしっかり切っておくことで、左右の黒をからみ攻めにします。白18も露骨ながら厳しく切った手です。
実戦図6
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通常、黒1と来られたら、そのあたりを切りに行くことしか浮かびませんが、道策が打ったのは白2でした。これが本当に素晴らしい。白2、4とこっちを切ることで、黒5を促し、白12の強打を実現させました。黒13で連絡を許しましたが、全部をまとめて攻めにいっています。
正に神業。ここまで華麗に打たれてしまっては、形勢もどんどん白に傾いてしまいました。
実戦図7
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結局黒石は取られることはありませんでしたが、それまでに得た得で白はもう十分。これからヨセですが、白勝ちは揺るぎないでしょう。
実戦図8
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右下の白だけちょっと危ない形をしていましたが、ギリギリ生きているようです。
実戦図9
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最終手まで載せました。黒41まで。
白13目勝ち。
最後は相当な大差になっています。
道策を褒めてばかりになってしまいましたが、それくらい本局の道策は素晴らしい手の連続、神業の連続でした。もし機会があれば碁盤に直接並べて、その一手一手を感じて欲しいです。最後まで並べなくても良いし、理解しなくても良い。なんとなく並べてみるだけでも、上達の手助けになるでしょう。
そういう碁を名局と呼ぶのだと思います。
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