上手さで圧倒、本因坊秀策
こんにちは。みやれーです。
囲碁を終局がゴールだとすると、ゴールへの道の歩き方は三種類ほどあります。
一歩一歩着実に進む歩き方と、ゴールまで全速力で走り切る方法と、一歩を溜めてジャンプを狙う方法です。
本因坊秀策の場合、一歩一歩進みながら時折ジャンプを狙う事が多いです。
今回取り上げる碁も、着実な歩みの中から上手いタイミングでジャンプを決めます。
この碁を並べると、先へ先へ進むばかりではなく一旦力を溜める事も大事なんだと気付かされます。
黒番中川順節。白番本因坊秀策。
黒の中川順節が黒1、3、5の秀策流を逆用した形になりました。
白の秀策は自分の得意布石にどう対抗するのか。
上図白8が力を溜めた一着。大場は右上の当たりですが、ここに一着打つのが白14の狙えて後々効いてくると判断しました。
黒も大きな右上を連打しました。
黒は右上に合計三連打出来ましたが、左辺の黒石が置いてきぼりになっているのが痛く、布石は白成功です。
下辺の白一段も攻めれる石ではないので、黒は右辺の白模様に打ち込んで勝機を見出だそうとしています。
上図白6の引きが上手い。7へ抑えるのと比べて、実戦の方が白の形が厚いです。
黒21は下辺の白石と右下の白石を切ろうと頑張ったのでしょうけど、白22がピッタリなのでどうだったか。
実戦は脱出してますが黒29、31などを打たされたのが辛い。
黒は必死に逃げて左下の黒石と繋がる事が出来ました。
しかし逃げてる間に白は各所で得をし、形勢は白良し。しかも争う場所も無くなってしまいました。
結果的に、黒が右辺に打ち込んでからの白の対応が素晴らしく、黒の失敗になりました。
最終手まで載せました。(白14まで)
白中押し勝ち。
まずこの碁は序盤左上。力を溜めた手が良い手だったようで、白に形勢が傾きました。
とはいえ、その後ミスらしいミスもなく右辺を打ちきったのは流石秀策。
黒が無事繋がった時には碁は終わっていました。終局時点で白が10目くらい良いです。
本当に秀策は上手いんですよね。この碁も危なげない勝利でした。
秀策の棋風上派手な碁には中々ならないんですが、地味な碁でも勝てる上手さが秀策の魅力ですね。
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