囲碁は好きですか?

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元丈の上手さ光る名局

こんにちは。みやれーです。

本因坊元丈。前回取り上げた安井知得とライバル関係にあった棋士です。

別の記事でも触れましたが、この二人は囲碁史最高のライバルとして名高く、実力伯仲、成績も五分、年齢も一つ違いと、まさに絵に書いたようなライバルです。

ただ、二人は互いに互いを認め合っていて、勝負を離れれば仲のいい親友のような関係だったといいます。
それが余計に素晴らしいですね。

今回取り上げる碁は、そんな二人の碁の中でも特に好きな、元丈の名局です。

黒番本因坊元丈。白番安井知得。


棋譜再生

黒7の高カカリは当時は珍しい。白12も当時の打ち方。


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ゆったりと碁が進むなか、上図黒25のボウシ、元丈の良さが出た一着です。
通常であれば、黒25では右上一間ジマリから二間ビラキするものですが、中央を重視する元丈ならではの一手。
こういうなんでもない場面で個性を出すのは中々出来る事ではありません。元丈の芸の深さが伺えます。


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黒模様が大きくなってきたので、上図白4の突入は当然。白6と出る事で左上の黒一団にプレッシャーを掛けます。
黒としても、この一団が攻められるような事になると一気に形成を損ねますので、ここが腕の見せ所。
黒9の様子見が巧。また黒13、15も筋がいい。相手の手に合わせて逃げ方を変えて行きます。
白も強引には攻めに行かず、ヨセに勝負を託しました。


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上図黒7は手筋。白は反発する事が出来ません。
そして黒21、23のコンビネーションが素晴らしい。白は繋がるために白24の犠打を打たねばならず、先手で得をして黒が優勢となりました。


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いくら黒優勢といえど、相手はヨセの名手安井知得。ここから勝つのも大変です。
中央のヨセ、白は難しくなるよう進めましたが、黒35と打てて一安心。黒優勢は動きそうもないです。


棋譜再生

最終手まで載せました。(黒83まで)

黒9目勝ち。

この碁は何と言っても序盤、右辺で黒がボウシした手と、左辺の黒一団の逃げ方が印象的でした。また、ヨセに入ってからの両者の攻防にも見応えがあり、名局だと思います。

元丈は厚みを好む碁で、それを活かしたパンチ力もありますが、この碁のように上手さが光る碁が幾つもあります。

知得が持つ圧倒的なヨセの力でも崩れない元丈の上手さ。逆に、元丈の上手さを乗り越えていく知得のヨセ。互いが互いの技を引っ張り出していく二人の碁は、見ていてとても楽しいです。

元丈が勝った碁だけ載せるのも不公平ですし、また今度知得が元丈に勝つ碁も載せないといけませんね。

どれにしようかな~。




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