LG杯開幕！芝野虎丸VS唐韋星
どうも！こんにちは。みやれーです。
5月28日、韓国で第23回LG杯世界棋王戦が開幕しました。
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第23回LG杯世界棋王戦開幕 | 棋戦情報 | 囲碁の日本棋院
前回、第22回は日本代表の井山裕太九段が決勝戦まで進み話題を呼んだLG杯ですが(その時は惜しくも準優勝)、今期は前回以上の結果を目指して、日本から四名の棋士がLG杯に参加しています。
以上の四名。
若手中心ながら強力なメンバーで、中韓の棋士にも引けを取らない四名です。
そんな日本代表の対局の中から、この記事では芝野虎丸七段の棋譜の感想を書きたいと思います。
芝野虎丸VS唐韋星
日本囲碁界期待のホープ芝野虎丸七段が、中国のトップ棋士で元世界王者の唐韋星九段に挑む一戦。
唐韋星九段といえば、序盤は滅法下手だが中盤以降の勝負強さは世界一を争うという独特な棋風の持ち主。戦闘力は芝野七段も自信のある所でしょうが、元世界王者相手にどんな碁を見せていくのでしょうか。
黒番 芝野虎丸。白番 唐韋星。
実戦途中図1
大ゲイマジマリに黒1とツケるのは最近の流行りですね。黒1、白2を打たず黒3へツケるのもあります。
実戦は黒11までの形になりました。左上隅の白は厚いですが、黒も二立三積の良い形を得ているので、部分的には互角でしょうか。
実戦途中図3
白2は黒石を閉じ込めつつ白石を繋げて自然な応手。そこで黒3のハネ出しから右辺を捨て、上辺の模様を重視したのは簡明な作戦でした。黒模様は中々広大ですし、先手なので黒17に回れて、右辺の白地も大したことないだろうという事ですね。黒が上手くやったように見えます。
実戦途中図4
白4とノゾいた時、善悪はわかりませんが黒5と反発したのは感動しました。そういう発想に至れる所が面白いですね。
実戦は黒13まで右下の黒を厚くしました。これで白三子が封鎖されていますが、中々取られる事はないので、白14の消しを優先します。
実戦途中図6
実戦は白1から左下を攻める格好を見せましたが、黒8と脱出したならほぼ安泰。ここがあまり攻められなかったので、形勢は中央を上手く広げた黒が良さそうです。
実戦途中図7
白1と模様へ入ってきたタイミングで黒2と右辺へ向かったのは、戦上手な芝野七段らしい着手。これは右下白の眼を奪った手で、ならば白も17までと中央へ脱出するしかないのですが、そこまで引きつけておいて黒18で白1を攻撃。黒は「模様を荒らしても良いけど、下手すると右下が死ぬよ」と脅している訳ですね。白の着手が難しくなってきています。
実戦途中図8
黒3と打って、模様を荒らすのか、右下を助けるのか、白の対応を聞いています。形勢は白が苦しそうという事もあって、守りの手は打ちたくない。しかし白が攻められる展開も妙味がない。白参ったかなと思ったその矢先、放たれたのは白4でした。これは模様を荒らす手でも守りの手でもありません。「黒さんちょっと薄いんじゃないの」と攻めにきた手です。黒がAとBの二択を迫った今だからこそ、あえてCと答えたこの白4が、勝負としての碁を艶やかに色付けますね。
黒5と切って最後の戦闘です。
実戦途中図9
手順が長く目では追いづらいかと思いますが、流れだけでも感じてもらえればと思います。
黒1で白が切られたので、右辺の白が生きを求めて下辺になだれ込みます。ただ辛かったのが、中央が切れた事で左辺の白まで薄くなってしまったこと。黒19で黒石が安泰となると白20の後退が省けず、黒31まで黒模様をしっかりまとめ上げ、地合いでの黒リードを明確なものにしました。
それと同時に、もう争う所もないですね。
