世界女子囲碁団体選手権!藤沢里菜VS楊子萱
どうも!こんにちは。みやれーです。
5月10日に行われた第7回天台山森然楊帆杯世界女子囲碁団体選手権の一回戦。日本チームVS中華台北チームの副将戦、藤沢里菜四段VS楊子萱二段戦の感想を書きます。
前回記事
藤沢里菜VS楊子萱
日本女流囲碁界の双璧を担う藤沢里菜四段と、中華台北楊子萱二段の対戦です。
黒番 藤沢里菜。白番 楊子萱。
実戦途中図1
左下で両ガカリ定石が進行中。白5とツナがった時、黒6とツケたのが工夫の一手で、以下白13まで、初めて見る形になりました。中央の黒二子は切り離されましたが、下辺で地を稼ぎつつ黒14に回って黒足早だという主張です。
参考図
白1のツナギには黒2とカケツグのが普通。白3には黒4と我慢しなければいけませんが、部分的にはこれが相場でしょう。
おそらく黒は、白7へ詰められるのを嫌って実戦の工夫に至ったのだと思われますが、この頭の柔らかさが若さなのでしょうか(笑)
実戦途中図2
白1とワリウチしてから白3のツケは不思議な感覚。白1で普通に小目へカカるのでは駄目なのでしょうか?
白11とアテにはツナがず、コウを残して黒12とアテ。白13もツナがずコウを誘うし、急に難解な局面を迎えました。
実戦途中図3
上図黒1とコウを仕掛けました。このタイミングが適切だったかどうかが難しいところで、藤沢四段も相当悩んだのではないでしょうか。
実戦は黒がコウに勝ち、白は白20、22と連打して右上の黒一団を攻める構えを取りました。個人的には黒が心配な碁に見えますが、藤沢四段はシノぐのが得意な棋士ですから、大丈夫と見ているのかもしれません。
実戦途中図4
白1とハネた時、黒2〜白9まで形を決めてから黒10と戻ったのは驚き。形勢が良いならわかりやすく形を決めて、後の憂いを無くすのが賢い考え方なのですが、現在はそういう形勢なのかどうか。どちらかといえば白が安心したように見えます。
実戦途中図6
左上隅。黒3が手筋で「決まったか!?」と飛び上がりそうでしたが、白6が冷静な手筋返しで、白8まで、左上隅は丸々白地になりました。
参考図2
白2が良い手の理由は、黒が同じく隅に手を残しに行った場合、白6でここの間が切れてしまうためです。ここが切れると黒の大石に生きが無いですね。
なので実戦が最善ですが、黒は左上隅に手を残せませんでした。