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電王戦FINAL第3局 趙治勲 VS DeepZenGo

どうも!こんにちは。みやれーです。


DeepZenGoプロジェクトの集大成として、過去にDeepZenGoが負けた棋士とリベンジマッチを戦う電王戦FINAL。遂に最終局である第3局が4月7日、東京にて行われました。


公式サイト

第2局


第3局に登場したのは日本囲碁界のレジェンド趙治勲名誉名人です。DeepZenGoとは2016年に第2回囲碁電王戦で対戦し、2勝1敗で趙治勲名誉名人が勝利しています。


1勝1敗で本局を迎えたDeepZenGo。勝ち越しを左右するこの一戦に勝ち、有終の美を飾れるのでしょうか。

趙治勲 VS DeepZenGo

黒番 DeepZenGo。白番 趙治勲

実戦途中図1


棋譜再生

黒1と大ゲイマにヒラキ、黒3とハサむ布石は一時期多く見られましたが、最近は見る事が少なくなりました。

白10とハサミ返したのは趙名誉名人の工夫。序盤から石が裂かれる戦いの碁となります。

参考図1


棋譜再生

ここは黒石が多い所なので、通常は白1、3とツケ切ってサバキを目指すのが定石です。以下黒8までは一例。

参考図2


棋譜再生

上図もよくある実戦例

実戦途中図2


棋譜再生

上辺から競り合いが続いている最中。黒1とハネた時、白2、4と狭い二線を這ってから白6と上をハネました。囲碁には「二線を這うべからず」との格言もあるのですが、実戦の進行には理由があります。

参考図1


棋譜再生

参考図白2と先に上をハネると、黒3と繋いできます。この図だと後々、白6とツケても黒7とオサエられてしまうのが実戦との違い。この違いは意外と大きく、実戦は上辺に一眼があるのに対し、参考図は眼がはっきりしません。

これらを比較した上で、趙名誉名人は実戦の方が良いと判断したのですね。

参考図2


棋譜再生

ちなみに、白2に黒3とオサエると白4と切られて黒が困ります。

実戦途中図3


棋譜再生

現在、右辺にとても立派な黒模様が形成されていますが、そんなことはお構いなし。白の狙いは上辺から連なる黒の大石への攻めのみです。

上図白1、3は強手。一番直接的な狙いの手で、黒4とアタリには白5とアテ返し。白9までと見事黒石の切断に成功しました。

ぱっと見黒の大石は完全に包囲されているような気がしますが、Zenはどうするのでしょう?

実戦途中図4


棋譜再生

実戦黒は、黒1、3を用意していました。この手はシノギというよりも攻めの手。黒7で逆に白を切断し、黒9で上辺白一団の眼を奪ってきました。結果から言うと、これで白が参っています。

参考図1


棋譜再生

まず状況を整理しますが、上図白2と繋いでも、黒3で黒石が繋がる上に、上辺白に二眼のスペースはありません。白が全て取られます。

参考図2


棋譜再生

上図白2が利いても攻め合いが黒有利。白が全て取られます。


白はどうやっても取られてしまいそうですね。そしてもちろん、形勢は黒勝勢です。

終局図


棋譜再生

短手数ながら、白が投了しました。

黒中押し勝ち。

まとめ

電王戦FINAL第3局は DeepZenGoの勝利!これで通算成績を2勝1敗とし、勝ち越しを決めました。


本局は趙治勲名誉名人が積極的に仕掛けている印象でしたが、やや無理気味な仕掛けでしたでしょうか。特に中盤、黒を取る勢いで攻めに行ったため、返って黒にカウンターをくらう結果となってしまいました。

趙名誉名人としては、 DeepZenGoは形勢判断力が高くゆっくりした碁に強いため、まだ隙のある読み勝負に持ち込みたかったのでしょう。しかし今回はそれが仇となってしまいました。



本局を持って電王戦FINALは終幕。 DeepZenGoプロジェクトもこれにて終了となります。

しかし、Zen制作者の加藤英樹さん曰く、今回はDeepZenGoプロジェクトが終了するだけで、それ以前のZenに戻るだけとの旨を話していらっしゃるので、今後のZenの動向にも注目です。


またZenが戻ってくる日を楽しみに待っています^ ^




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