グランドチャンピオン戦準決勝!河野臨VS一力遼
どうも!こんにちは。みやれーです。
3月31日に行われたグランドチャンピオン戦の準決勝、河野臨VS一力遼戦を解説したいと思います。
前回記事
先に言うと、本局は読みに自信がある両者らしく際どい攻防が続きます。一手一手意味を理解しようとすると、読みの過剰摂取でアレルギー反応を起こしそうです。解説とは名ばかりの記事になるかもしれませんが、実戦を追いかけてみましょう。
河野臨VS一力遼
本局の中で僕が気になった場面をいくつか紹介します。
黒番 一力遼。白番 河野臨。
実戦途中図1
現在上辺で小競り合い中。黒1と打って上辺白を閉じ込めようとしています。
白2、4は突破を図った手。黒5と切っていきなりの乱戦模様です。
実戦途中図2
上図白1、3とワリこんだ瞬間、黒4と突飛な所へツケてきました。どういうことでしょう?
参考図2
なので上図黒4とツケたのが実戦ですが、もし白5と受けてくれたなら黒6とハネるのが狙い。上図は黒の理想図ですが、黒4を囮(捨て石)にして、上辺白地を削減しつつ切りを防ごうという意味でした。
実戦がごちゃごちゃしだしたのは、お互い相手の注文を外した気合いの応酬だったのですね。
実戦途中図4
実戦黒は左上を動き出す作戦を取りました。囲い合いは自信無いと見たのでしょうね。もちろん読みがあっての動き出しですから、黒が取られるような事はありません。黒17まででシノギの目処は立ちました。
しかしそのかわり白2、4など外側に白石が来たので、白18から今度は白が動き出します。「厚くなったから動き出す」という自然で良い流れなので、やや白ペースに入っているでしょうか。
実戦途中図5
上図白2は手筋。白2を捨て石にして白4、6と本体を逃げ出しました。
実戦途中図6
上図白1は厳しい狙いでした。黒2と遮ってなんなんだと言いたくなりますが、白3が好手。実戦は黒石がボロボロと取られましたね。
参考図
少し読める人なら「おいおい黒4でゲタじゃねえか」と思うかもしれませんが、おそらく白7の両ノゾキを狙ってくるものと思われます。
実戦はボロボロ取られましたけど、黒も織り込み済みの手段なのでしょう。実戦図で意外と良い勝負です。
実戦途中図7
そろそろヨセに入ろうかという場面。残るは右下の空間がどう決着するかと言った所ですが、白1、3が面白い手段でした。黒8で隅の地は損するのですが、白5に石が来たことで中央の黒地が減り、白13に回って下辺の白地が膨らみました。上手いヨセだったものと思われます。