ワールド碁チャンピオンシップ決勝戦!井山裕太VS朴廷桓
どうも!こんにちは。みやれーです。
3日目続いたワールド碁チャンピオンシップも今日が最終日。ついに決勝戦が行われました。勝ち上がって来たのは我らがヒーロー井山裕太九段と、韓国代表で世界ランク一位の朴廷桓九段です。
井山九段に巡って来た世界戦優勝のチャンス。下馬評では朴九段有利との声が多いですが、井山九段は最強の棋士を相手にどう戦うのか。意地の見せ所です。
井山裕太九段VS朴廷桓九段
本局の中で僕が気になった場面をいくつか紹介します。
黒番 井山裕太。白番 朴廷桓。
実戦途中図1
序盤から工夫を見せることが多い井山九段ですが、上図黒1と詰め、白2に黒3と迫ったのはおそらく新手。僕は始めて見ました。
もし白が5の所へ繋いでいたら戦いになっていたかもしれませんが、実戦は白4と手抜きして足早に進めたため穏やかな分かれに。
好みはあるでしょうが形勢は互角です。
実戦途中図2
上図白2は黒を分断しようという厳しい一手。しかしどうでしょう?仕掛けるが少し早かったかもしれません。
実戦は黒11のアタリで白16と二線へ謝らせれたのが気持ち良い所。黒19まで黒が上手くサバキました。
実戦途中図3
まだ難しい形勢だったと思いますが、黒1、3とはどういう事でしょう?あまりよくわかりません。常識的にはとても筋が悪そうです。
黒1を打つ前の局面を見ると。考えるポイントは二つあります。
- 下辺右側の黒石が弱い石
- 右辺の白模様
この二つです。
まず下辺黒を見てみると、コウが一つあるのがわかりますね。このコウを勝てば黒は安泰ですが、少し頑張りたいという気持ちがあったのでしょう。実戦黒11まで打って、下辺を強くしながら中央へと進出しました。これで一つ目のポイントはクリア。
しかしこの碁ではもう一つポイントがありました。右辺の白模様です。黒が1、3と下辺を強くしている間に、白2、4、6と自然に白模様を増幅させてしまいました。これでは黒が得したとは言いづらいです。
実戦途中図4
左上が戦いが起こっています。形勢は白良しなので、黒は何か事件を起こしたいです。
白12、16と黒石を閉じ込めた時、黒19と外側から迫ったのが井山九段らしい厳しい一着。まだ左辺の黒一団が生きていませんが、出来るだけ局面を複雑化させようとしています。
白としても黒19みたいに打たれると、激しく行くのか穏やかに行くのかで迷うのですよね。
実戦途中図5
実戦白は穏やかな手で対応しました。白1と打って「黒さん生きてください」と言っています。
しかし黒は2と、更に反撃。白を切りに行きましたが、これでは今度こそ白7で左辺の黒に生きが無いです。外側の白にも不備は無く妙味もありません。黒の敗色濃厚となりました・・・・。