ワールド碁チャンピオンシップ準決勝!柯潔VS朴廷桓
どうも!こんにちは。みやれーです。
ワールド碁チャンピオンシップ準決勝。世界ランキング一位と二位がここでぶつかりました。
ほんの一年ほど前まで、世界の覇権は柯潔九段の手中にありました。ですが最近は不調も相まって、虎視眈々と王者の椅子を狙っていた朴廷桓九段に人類最強の栄誉を奪われています。
柯潔九段は世界一復帰へ向けて、朴廷桓九段は今大会2連覇へ向けて、お互い心に燃えるものがあるでしょうか。
柯潔九段VS朴廷桓九段
本局の中で僕が気になった場面をいくつか紹介します。
黒番 柯潔。白番 朴廷桓。
実戦途中図1
上辺に出来た黒模様が気になる局面。このまま大きく囲われては白が困りそうです。
そこで打たれた白2がとてもおおらかな手でした。黒5でそれなりに大きな黒地が完成してしまうのですが、この程度なら良いよと言っています。中々男らしい一手でした。
実戦途中図2
白は下辺から中央にかけて、とても×10大きな白模様を作りました。
夢のある打ち方ですけど、当然黒は現実を見せに来ますよね。実戦は黒2を選びました。これで白模様をどの程度荒らせるか。ここからが勝負です。
実戦途中図3
白2は黒の間を切ろうという意図。しかしこの瞬間に黒3とツケて、隅へと潜っていったのは上手い判断でした。
黒は先手で隅の生きを得たので地合いでリード。後はさっき突入した中央の黒石さえ逃げ出せば優勢になれるという、黒にわかりやすい展開へ持ち込みました。
柯潔九段はこういう、この後自分が何をすれば良いのかをわかりやすく整理出来る、試合巧者なところが強いです。この碁で言えば「後は中央を逃げ出す」だけにしたりとか。
現在黒優勢です。
実戦途中図4
黒は予定通り、黒1、3でさっさと逃げ出しを計りました。
しかし碁とは怖いものですね。この黒3は一路右のノビでなくてはいけませんでした。それならば黒優勢です。
実戦の黒3は敗着でしょう。
実戦途中図5
黒は何か読み間違いがあったのか。それとも白2を軽視していたか。どちらにせよ酷いもので、実戦白11で繋がりそうだった黒が「プツン」と音を立てて切れてしまいました。
実際、白2とぶつかられてはどうしようもないのです。
参考図3
また遡って上図黒1ならば切れることは無かったかもしれませんが、白4が厳しくて形勢は好転しないでしょうね。上図では上辺の黒地が破れています。
どうにも黒に上手くいく図が見当たりません。実戦は切れてしまいましたし、白勝勢と言っていいでしょう。