農心杯第13戦 柯潔九段VS金志錫九段
どうも!こんにちは。みやれーです。
昨日劇的な勝利で韓国チーム 5年ぶりの優勝に王手 をかけた金志錫九段。その興奮も冷めやらぬうちに迎えた第13戦では、中国最強のエース柯潔九段が満を持して登場しました。
最近は世界ランク1位の座を朴廷桓九段に明け渡してはいるものの、その強さは自他共に認める最強の棋士。中国最後の希望です。
昨日の勢いそのまま金志錫九段が優勝を攫うのか、それとも柯潔九段が農心杯中国チーム5連覇への望みを繋ぐのか。試合はまた劇的な展開を迎えます。
実戦譜
本局の中で僕が気になった場面をいくつか紹介します。
黒番 金志錫九段。白番 柯潔九段。
実戦途中図1
まだ序盤ですが、白が上手く進めていると思います。
白2からは囲碁AIの絶芸も予想していた手順ですが、黒9は10所へツグ方が勝ると絶芸。実戦の進行では黒の石が上辺にのみ固まっているのに対し、白の石が左辺から下辺へと勢力を伸ばしていて、石の働きの良さから白が打てそうです。
実戦途中図2
少し進んで下辺黒1と打ち込んだ場面。
僕は下辺にしか目が向きませんが、白2がとても好点でした。白4から戦いを仕掛けた時、下辺の地は黒に取られますが、白16まで出来た厚みが左辺の白模様をとても大きくしています。こうなると白2、黒3の交換が光っていますね。
白順調です。
実戦途中図3
先程の図の続き
左辺がそのまま白地では敵わないので、黒は当然突入します。選んだのは上図黒1でした。
黒5から隅へ動いたかと思えば一転黒13。とても難解なので、あまり深く考えなくて良いと思います。
黒は左辺で一応のスペースを確保しましたが、本当に生きているのでしょうか?
実戦途中図5
この碁の大波乱の原因になったのが上図黒3のカケツギ。まずは実戦の進行を見て頂きたいのですが、この狭いスペースで黒は妙技を尽くし、あっという間に隅で生きを得てしまいました。
どうも部分的に黒3と打てば相当にしぶとい形のようです。僕も全てがわかっている訳ではないのですが、中々黒を取れる図が見当たりません。
柯潔九段はここを軽視していたかも?
実戦途中図6
実は左下を生きられてもなお、白が優勢だったようです。驚きですけどね(元がどれだけ良かったのかって話(−_−;))
上図でまた飛んできた黒3も際どい強手。目一杯のヨセで柯潔九段を追い詰めています。形勢をというより、精神を追い詰める強手でした。
実戦途中図7
上図黒1と打たれたことで、白の勝ちがなくなりました。
白2からの手順は確かに上手く、白14で右辺の黒六子を取り込むことに成功してます。しかしここで返しの黒15から19の逃げ出しが強烈でした。白は20へ打たねば右辺六子が逃げ出されてしまう関係で仕方がなく、黒21で上辺が取られ、黒が得をしました。逆転です。
まとめ
農心杯終幕。
今大会は開幕局から 申旻埈六段の6連勝 で始まりましたが、その流れを切った 党毅飛九段怒涛の5連勝 で一気に追い上げ、やはり世界囲碁の頂点は中国にありかと思われましたが、韓国の副将、 金志錫九段 が党毅飛、柯潔の両九段を劇的な逆転勝利 で下し、韓国に 5年ぶりとなる農心杯優勝 の栄冠をもたらしました。
今シリーズはいくつもの名局を産んだドラマチックな大会となりました。しかしながら、そこに日本が1勝も絡めていないのは悔しいばかりですね。
実らぬ努力はないと言いますか、日本囲碁界の実りの時期はいつ迎えるのか。早いに越したことはありませんが、焦って未熟な果実を収穫しても渋い結果となるだけ。紅々とした実がつくまで、僕らは待たねばならないのです。
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