木谷実 悲願達成の一局
こんにちは。みやれーです。
今回紹介する一局は、木谷実さんが悲願の九段昇段を果たした一局です。
囲碁界の顔であった本因坊秀哉名人引退後、呉清源さんと肩を並べて八段準名人の地位にあった木谷実さん。次期名人の最有力候補として期待されていましたが、戦時中の混乱や脳溢血に倒れるなどして、九段昇段が遠のいていましたが、本局に勝って昇段を決めます。病気から復活後約一年での話です。
黒番木谷実。白番前田陳爾。
実戦図1
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木谷さんの秀策流で始まりました。黒11の打ち込みは積極的で、現代風です。
実戦図2
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上図白2から面白い打ち方。白14まで中々のサバキです。ですが黒も先手なので不満はありません。
実戦図3
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白が上図白4、6から躍動します。左辺の白がボロつく代わりに、白は左上で大きく地を稼ぎました。コミ無しということもあり、白が局面を動かしていますが、黒の打つ手も乱れがありません。
実戦図4
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上図黒1〜黒13までひと段落ですが、左辺の黒の構えが厚く、黒が良いでしょう。黒15もわかりやすい手です。
実戦図5
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上図黒5まで下辺の白模様を消して黒好調。非勢の白は紛れを求め白8〜14とギリギリの頑張りを見せます。
実戦図6
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しかし形成は黒がはっきり良し。後は見事な収束を見るばかりです。
実戦図7
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最終手まで載せました。黒31まで。
黒中押し勝ち。
白の躍動にも動じず、木谷さんの持ち味である手厚い打ち方で相手を完封。見事な勝ちっぷりを見せて九段昇段を決めた一局でした。
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