Master対AlphaGoZeroの棋譜8
こんにちは。みやれーです。
おそらくですが両者を比較すると、ZeroよりもMasterの方が序盤が上手い気がします。しかし本局のように読み合いになったとき、Zeroがはっきり強いのでしょうね。
特に本局ではド迫力の鬼手が出て来るので、そこが見所です。
黒番Master。白番AlphaGoZero。
実戦図1
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黒17まではお馴染みの布石ですが、白18と普通なハサミました。これまでは18の二路左に開く事も多かったです。
黒19はその揚げ足取りの意味でしょうか。黒17のカカリ一本が利かしという考え方は、江戸時代のコミ無し碁の感覚と似ていますね。面白い所です。
実戦図2
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上図白2とカケた事で、小競り合いが始まりました。白6は手筋のツケ。黒の対応を聞いています。黒19も手筋返しで、白26まででひと段落。面白い分かれとなりました。個人的は黒を持ってみたいです。
実戦図3
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上図白2の二間受けと見慣れない手が出ました。善悪は難しい所ですが、Zeroは普通の一間受けより、白18までの分かれの方が良いと判断したのですね。確かに白の形は安定しましたが、その分黒模様が大きくなっています。この黒模様がどの程度の地になるかが勝負です。
実戦図4
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まずは上図白2と頭を出し、黒5と囲ったタイミングで白6と手裏剣を飛ばしてきました。厳しい打ち方です。
黒も17まで最強に応戦して、黒27と切りました。さあどっちが読み勝つのでしょう。
実戦図5
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上図白6〜黒15まではこうなる所のようです。なので、白16で下辺に打てば黒地はだいぶ荒れたのですが、それよりも中央が大きいと判断したようです。好判断だと思います。
白26のハネでシノギの目処は付きました。
実戦図6
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黒1の局面。左上隅に黒がツケた所なので、何かそのあたりに打つ手しか気付きませんが、Zeroは白2と鬼手を飛ばしました。ほんと心臓に悪い手です。
参考図1
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普通白2は上図のように隅へ挨拶するものです。しかし黒7までの形を想定すると、白が苦しそう。
参考図2
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しかし上図白2と打つと、白6、10が利く関係で、白12、14と打つ事が出来ます。こうなると白は上辺で生きる手と、隅の黒を取る手が見合いなので、白が大成功。黒は実戦黒29のように譲歩するしかなくなるのです。
この折衝は白が上手くやりました。技ありです。
実戦図7
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上図白8、10は手筋。白14、16と黒八子を取り込みました。大雑把に後手20目くらいのヨセでしょうか。
形勢ですが、細かいようでヨセ勝負です。
実戦図8
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上図白6は上手いヨセ。黒11の切りを打たせる事で利益を得ました。
実戦図9
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最終手まで載せました。白54まで。
白中押し勝ち。
投了しましたが、作れば白2半目勝ちです。
本局はZeroの模様の荒らし方が面白い一局でした。あっちこっちツケていってまとまりが無いようでしたが、最後には上手く読み勝っていった印象です。
Zeroの読みから来る力技は凄いですね。色々ツケてパワーを出す打ち方は本因坊道策と似た所があります。本局ではそれを特に感じました。もし道策がZeroの棋譜を見たら、どんな言葉を残すのでしょうね。
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