囲碁は好きですか?

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AI竜星戦決勝 DeepZenGo対絶芸戦感想

こんにちは。みやれーです。


12月10日日曜日。囲碁AIの頂点を決めるAI竜星戦の決勝戦が行われました。
AlphaGoは不参加ですが、日本のDeepZenGoや、中国の絶芸など強いAIも参加し、盛り上がりました。

9日土曜日に予選リーグを行い、枠抜けしたベスト16から改めてトーナメント戦。そこで勝ち上がり決勝戦に進んだのは、DeepZenGoと絶芸でした。

下馬評通りの決勝と言えますね。

今回はその決勝の碁を見ていきたいと思います。


黒番DeepZenGo。白番絶芸。

実戦図1

棋譜再生

DeepZenGoはここ一年くらい、黒番が当たると『ミニ中国流』を好んで打ちます。また上図白6とミニ中国流を防がれた布石もたくさん打っている印象です。
黒15のコスミは下辺へ二間ビラキに打つ手もありました。

実戦図2

棋譜再生

上図が問題の局面。
黒5が重大な手順前後。黒5と白6を変わってから黒7とノビたせいで、白8の切りが強烈になってしまいました。なので、黒5で正確には、黒7、白14、黒5、白6と進むはずで、難しい勝負です。
実戦は白が良いと思います。

実戦図3

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上図白2と右下隅を重視したことで、黒3から大模様を広げる展開となりました。
白10から左辺を割に行くと、今度は黒15から上辺を黒模様にします。このあたりの碁の動かし方はZenの上手い所ですね。

実戦図4

棋譜再生

上図黒11、13と模様を更に大きくして、白はどこから消しにいくのかなと思ったら、右上隅白14のハネ出しと直接的に仕掛けました。
碁は最初の勝負所を迎えます。

実戦図5

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白2から絶芸の動きがとても鮮やかで、まさに絶妙な芸を見せてくれます。
まず白6の場所が絶妙。黒の打つ手が難しいです。黒7と頭を止めても、白12が厳しく、白26までとなって立派にサバキました。
ただ、まだ黒も中央が広いので、形勢がはっきりした訳ではありません。

実戦図6

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上図白6から味付けです。読みの問題で難しいですけど、結果的に白22、24、26と右下を大きくまとめる事に成功。白が上手くやりましたね。

実戦図7

棋譜再生

上図黒1、3から左辺白を攻めにきました。もちろん死ねば黒勝ちです。
僕だと生きれるか結構自信ないですが、絶芸は白26まで上手く逃げ出しました。
ですがここで黒27が手筋。実はこれで隅の白石は死んでいます。

実戦図8

棋譜再生

上図白2には黒3で死に。これは大収穫ですが、それまでのリードが大きかったようで、碁は白勝ちです。

実戦図9

棋譜再生

最終手まで載せました。(白80まで)

白中押し勝ち。

投了しましたが、ちゃんとヨセても盤面黒少し勝ち、コミが出ない程度です。


内容は、ほぼ白が完勝といってもいいのではないでしょうか。悪くなった瞬間がなかったと思います。

僕が一番印象的だったのは右上隅から始まった戦い。白の打ち回しが素晴らしく、黒に付け入る隙を与えませんでした。名前の通り絶妙な芸。とても勉強になりました。

DeepZenGoにとって残念な結果となってしまいましたが、良いライバルがいるのはありがたい事です。絶芸と切磋琢磨して、これからも素晴らしい碁を見せてほしいですね。

お疲れ様でした。




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