Master対AlphaGoZeroの棋譜2
こんにちは。みやれーです。
本局はZeroの終盤戦が見所です。
所々に見える小技と、ヨセで起こった波乱と妙手。もちろんMaster一手一手も素晴らしく、とても面白い一局です。
黒番Master。白番AlphaGoZero。
実戦図1
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Masterの小目から二間ジマリでスタート。Zeroも二間ジマリはよく打ちますが、左上隅は三々を占めている事が多い。
つまり星だと、白6のように三々に入られて悪いと判断しているという事でしょうか?
実戦図2
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上図黒3とカタを突かれた時、白4と手を抜くのは中々出来ない発想。負けじと打った黒5の手抜きも凄い。それなら下辺黒3と白4の交換は無くても黒5へ打てますから、Masterは黒3は利かしと見ているのでしょうか。いくら考えてもわからない所です。
白6も不思議な位置ですね。回りの配石の関係でしょうが、この手の良さはわかりません。
実戦図3
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上図黒11から左辺の模様を拡大していきます。
白は下辺が低く辛いようですが、仕方がない所。この碁の焦点は左辺の黒模様なので、下辺が多少辛く見えても、左辺で目一杯戦えるようにしっかり安定させておくのが上手い戦い方です。
実戦図4
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上図黒1の囲いに、白2、4、6は全て様子見。黒の対応によって打ち方を変えようとしています。
黒7が意表を突く一手。難しい所ですが、黒模様を大きく出来ました。
ただやはり一番の問題は左辺の白ですね。白18からおそらく活きていますが、なにせ周りが真っ黒なので、なにが飛んで来てもおかしくないです。
実戦図5
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上図黒1と大場へ向かった事により、白9と一手入れて完全な活きを得ました。しかしそのかわり右辺はとても大きな黒模様となっています。
黒19は好手。センスの良い手です。これの良さを説明するのは難しいですが、黒19は広い所へ打てているのに対し、白20は狭い所へ打たされているので、この一手ずつの交換は黒が得したと言えるのです。
ここまで見た感じ、雰囲気ですが黒が形勢良さそうです。
実戦図6
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上図白2は上手いヨセ。白20も上手いです。このあたりの小技はZeroが上手いですね。
実戦図7
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上図黒1の局面。中央のヨセにしか目がいかない場面でしたが、白2と左下隅を伸びてきたのは凄い迫力。本当ですか?と問いたくなります。
黒は構わず黒5と中央を囲い、お互いの地の場所がはっきりしてきました。ヨセ勝負です。
白10~14で味付け。黒は頑張るのは無理とみて黒15と後退。一応白2ノビの顔が立ちました。
実戦図8
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上図白2とはいやらしい所を突いてきます。黒3は辛いですが仕方ないでしょうか。
この碁はこのまま普通にヨセ合って終わるのかと思いきや、この後に波乱が待っていました。
実戦図9
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白2と切ったのが波乱の始まり。ほとんどアタリアタリの連続で黒に避けようがありません。
決め手は白12~16。なんとこれで黒地が大きく破れてしまったのです。
参考図1
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仮に上図黒1と繋いだとすると、わかりやすく白2からアタリを全部決めて、白10でトドメ。これで黒が参ってしまっているのです。
本当に突然の妙手でした。
実戦図10
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最終手まで載せました。(白102まで)
白中押し勝ち。
最後は投げましたが、作れば白の1目半勝ちです。AIお得意の謎ヨセのせいで、差がだいぶ縮まっています。普通にヨセれば大差でした。
本局は明白に、黒の模様対白の実利の勝負でした。見た目は黒良さそうに見えたのですが、流石に白も決定打を与えずヨセ勝負にまで持ち込み、最後は華麗な妙手で勝ちをつかみ取りました。
何と言っても白ヨセですね。左下隅をノビたあたりから素晴らしかったです。結果的に、黒は最後まで左下隅のノビに泣く碁となりましたしね。
凄い熱戦で、僕も楽しかったです。
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