木谷実対坂田栄男 横綱の一戦
こんにちは。みやれーです。
木谷実九段といえば、岩のようにガッシリと固く、腰の重い棋風。
坂田栄男九段といえば、切れ味鋭く軽やかで、綺麗さっぱりと相手の首を落とす棋風。
この対照的な両者の戦いは、互いの個性と技の応酬で、見ていてとても面白い。
ともに時代の覇者を経験する二人だけに、とても濃い味の碁が見られます。
言わば横綱同士の一戦。じっくり楽しみましょう。
実戦図1
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とてもゆっくりした序盤です。こういう序盤は並べていて気持ちがいいですね。
実戦図2
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上図白2から石が切れてきました。
黒17に対し通常は21の所へノビか、その左へハネるかを悩みそうですが、坂田九段はどちらでもなく白18。
良い手かどうかの判断が難しいですが、とにかく気付かない手です。
実戦図3
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上図白2がこれぞ手筋といった手。坂田九段らしい華麗な技です。
しかし木谷九段の手も確実で正確。
両者の技で面白い分かれになりました。
実戦図4
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上図白2からまた技を飛ばしてきました。
黒が先に抜いてからのコウなので、普通は黒に余裕がありますが、コウダテの関係で白もやれると見たのでしょう。
結果、白がコウに勝ち、黒が左上隅を取るフリカワリとなりました。
実戦図5
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局面が険しくなってきました。
上図白14と頑張った事で、石が切れ合って難しい。
実戦図6
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上図白4がまたまた華麗な手筋。
上辺の白石はまだ眼がない事もあって、白は一手も緩める事は出来ません。
なので白18から黒二子を取り込み生きを確保しました。
しかしその代償として左辺の黒石が復活して、黒が有利になってきました。
実戦図7
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上図黒15で中央白四子を取りました。
白としては捨てた格好ですが、黒は繋がって、白はまだ切れているのが大きく、黒優勢です。
実戦図8
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上図黒1が決め手。強烈です。
中央の白と左下の白がどうしても繋がらないので、実戦図8は白が繋がるために必然のフリカワリ。
しかしこれでは黒が勝ちです。
実戦図9
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最終手まで載せました。(黒19まで)
黒中押し勝ち。
この碁は坂田九段がたくさん手筋を飛ばして華麗に動き回りましたが、木谷九段は確実に受けて勝利を掴みました。
相手の技を空振りにさせる、木谷九段の芸が光った一局でしたね。
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