囲碁AIはプロ棋士の仕事を奪うのか
こんにちは。みやれーです。
近年は人工知能の進歩によって、便利さが増すと同時に、職業の寿命を考える世の中となりました。
ソフトバンクのペッパー君を見ても、いずれ接客業は人間の仕事ではなくなるのではないかと予想されます。
AIではないですが、自動運転も凄い技術ですよね。将来運転手という仕事もなくなるでしょう。
じゃあ、囲碁棋士はどうなると思いますか?
AlphaGoから始まった囲碁AI革命で、世界のトップ棋士相手に互角以上に戦えるAIがいくつも出てきました。
時間を掛ければもっともっと出てくるでしょうね。
つまり、囲碁棋士が持っていた「強さ」がAIに追い抜かれた訳です。
これにより、囲碁棋士という職業がなくなるのか。
僕の答えはNOです。
それを証明するために、囲碁棋士が存在する理由を考えてみます。
囲碁の持つ魅力
囲碁はとても長い間人々に楽しまれてきました。
何千年単位での歴史を持ち、江戸幕府とともにプロ棋士が誕生。その後戦争や文明開化の波にも負けず、今日まで囲碁は人々の娯楽となっています。
これからはともかく、これまで囲碁は必要とされてきました。
その要因としては、
・ゲームそのものの面白さ
・碁盤と碁石があれば台風が列島を直撃しても遊べる
・年齢や性別も関係ない
・二人以上で遊ぶゲーム
が上げられます。
その中でも特に大事なのは、二人以上で遊ぶゲームである事です。
アナログな囲碁がウケる理由
基本囲碁は一人で遊ぶ事は出来ません。(勉強は一人でも出来る)。
なので、囲碁をするためには最低二人以上が同じ場所に集まる必要があります。(ネット対局の場合も同じで、場所がインターネットになっただけ)
つまり、囲碁には人を集める力があります。
そして人が集まれば自然とコミュニティーが生まれます。
囲碁に限らず、二人以上で出来るゲームの利点はここにあって、ゲーム上にコミュニケーションという付加価値が付く事で、そのゲームの面白さが倍になっていきます。
しかもそれが頭で考えるゲームであればあるほど、コミュニケーションが活気づきます。(人の頭の中を覗いた気分になって面白いのです。)
また、年齢性別関係なく遊べるのもここに掛け算されます。
単純に競技人口が多ければ、コミュニティーも多いという理屈ですから。
何故囲碁棋士が無くならないのか
囲碁に魅力があれば、熱中する人が出てきて、強い人が出てくるのは自然な話。
囲碁の場合、直接対決して勝敗が決まりますから、強い人がより明確です。
そういう強い人がプロ棋士になるわけですが、強い=プロというのは少々雑な説明。
プロ棋士には囲碁ファンのお客様がいて、出資してくれるスポンサーの方がいる事で、始めて成り立つ職業であり、その方々の支えがなければ存在出来ない職業です。
ならば囲碁棋士とは、囲碁ファンの要望に応える仕事といえます。
勝つ事を求める人もいれば、面白い内容の碁を求める人もいて、自分に碁を教えてくれという人もいます。
囲碁棋士に求めるものは人それぞれですが、囲碁というゲームの本質がコミュニケーションである以上、囲碁棋士に求められるのも総じてコミュニケーションです。
総括
以上の理由から、いくら囲碁AIが強くなろうと、人が人とのコミュニケーションをやめない限り、囲碁棋士という職業は無くならないと思います。
逆に、接客業が無くなる理由は、マニュアル通りの接客をすると人らしくないという欠点があるからでしょう。
だからもし、これから「囲碁棋士が囲碁ファンと接する時のマニュアル」みたいなものが出来た時は相当危ないと思いますね。まあ大丈夫でしょうが。
囲碁に限らず、これからAIが台頭してくる世の中において、人から必要とされるものは『人らしさ』ではないでしょうか。
ただ無機質にお金を稼ぐだけの仕事が消えて、人と人とが楽しんでる仕事が残っていくのではと思います。
もし本当にそうなれば、囲碁棋士は絶対消えない職業になるでしょうね。
この記事がいいと思ったら応援をよろしくお願いします。