囲碁は好きですか?

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不思議な碁

こんにちは。みやれーです。

今回は二回目となる木谷実九段の碁を紹介します。

木谷九段の地を取れるだけ取り、相手の張った模様に後から突入していく独特な打ち方は、[木谷流ドカン]と言われていたそうです。

しかしそんな欲張りな打ち方は中々成立しないものだと思っていますが、木谷九段は何故か上手くやってしまうのですよね。僕には不思議で仕方がありません。

この碁も、始めて並べた時は木谷九段の失敗碁と感じましたが、どうやらそれほど悪くはなっていないようで、それが不思議です。

黒番木谷実。白番橋本宇太郎


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黒7は木谷九段の好みの手法。下にツケるとナダレ定石が嫌だという意味ですが、木谷九段以外に打つ人はいません。


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上図白8とカケられて気分は悪いですが、黒は冷静に受けて立っています。


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上図白18と頭を止められては、僕は白が打ちやすいと思いますが、黒は一貫して堂々と進めて行きます。


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白は右辺の模様をたくわえていきます。
結果、白は左辺で二子を取られただけで右辺の大模様が完成しましたから、僕には白が優勢に見えます。
しかしここからが木谷九段の真骨頂。


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黒が三々に入ってから、コウが始まりました。
画像では見にくいので、リンクから見てくださいね。

こういう広い場所でのヨミが木谷九段は強いです。
正直難し過ぎますが、白にコウ建てが続かず、白の大模様の中で大威張りの生きを得ました。
だからといって、白のどの手が悪かったのかはハッキリしません。すぐコウにしたのが悪かったのか、元々の形がそれほど良くないのか。
僕の感覚では序盤は白良しだったのですが、そんな簡単な話ではないのかもしれません。
本当に碁は不思議で、奥深いです。


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上図白2のハザマは、行きたくなりますが我慢すべきでした。
黒に反発され、白がしぼられる形になっては失敗。差が決定的になりました。


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最終手まで載せました。(黒77まで)

黒中押し勝ち。

この碁は自分の感覚が正しいかどうかを考えさせられました。
序盤白良しのはずが、結構あっさりと黒良しに変わってしまって、よくわからないというのが本音です。

一つ言える事は、木谷九段はヨミが凄いということ。もしかすると右辺のコウ争いはヨミ切りだったかもしれません。

逆に言えば、ヨミ切れているからこそ出来る打ち方です。
感覚的には白良しでも、先の先までヨミを入れているから、まだ難しい事がわかっている。

一種の力技ですね。

木谷九段の碁はマネすると難しいですが、見ていてとても楽しい。
やはり僕は木谷九段の碁が好きです。